橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

西武線沿線

所沢「百味」が復活

昨年5月、所沢随一の大衆酒場「百味」が、コロナ禍で閉店したという記事を書いた。ところがその後、閉店を惜しむ声に押され、別経営者で復活開店したとのこと。内装はもちろん、メニューも価格もほぼ同じで、照明や会計システムなどは新しくしたとのこと。こ…

高田馬場「高田馬場ビール工房」

二〇一〇年に高円寺で創業し、いまや七店舗を構えるビール工房。会議の帰り、その高田馬場店へ行ってきた。六〇分飲み放題が一五〇〇円だとのこと。長居するつもりはないので、ちょうどいい。これにしよう。ビールは六種類で、ブロンド、IPA、ラガーが各…

川越「いちき」

この日は、全国青年司法書士協議会の大会で講演のため、川越へ。講演は翌日なのだが、大きなイベントのため打合せのあと前泊することになった。打合せは一時間ほどで終わり、そのあと居酒屋を物色する。川越駅と本川越駅を結ぶショッピング街、クレアモール…

東長崎「ぼんぼり」

この日は、2駅隣の東長崎へ。東長崎といっても、これは西武池袋線の駅名で、東長崎という地名があるわけではない。これはおそらく、九州の長崎駅と区別するために付けられた名前で、地名は長崎と南長崎になる。池袋とは目と鼻の先のようなところだが、愛すべ…

高田馬場「吟の邑」

「まるはち」を出て、駅の周辺をさらに物色。見つかったのが、見覚えのあるこの看板。店名は似ているし、デザインもそっくりだ。尋ねてみると、やはり吉祥寺にある日本酒の店「吟の杜」の姉妹店だった。本日の酒は、「玉川」「多摩自慢」「鳳凰美田」「風の…

高田馬場「マルハチ」

この日は大学からの帰り、ふと思い立って所沢で新宿線に乗り換え、高田馬場へ。駅の近くで日本酒が揃っていそうな店を物色。まず入ったのは、この店。若者向けの店構えで、店内のインテリアも配管がむき出しだったり、スパイダーマンのフィギュアがあったり…

さらば「お志ど里」

江古田のシンボル的存在だった大衆酒場「お志ど里」。閉店したという話は聞いていた。この日、毎月一度の散髪に行き、ついでに「酒の秋山」で紀土の新酒を買って、江古田駅に向かうと、目に飛び込んできたのがこの光景。ほんとになくなってしまったんだ。 最…

椎名町「おぐろのまぐろ」

この日は、通信制の卒業研究発表会。三人の発表を聞いたあと、学生たちと一緒に所沢の「百味」で昼酒を飲む。四時頃で解散したのだが、まだ飲み足りないので、椎名町へ。見慣れない店を見つけた。 もともとはマグロを中心に魚と惣菜を売っていた店だが、立ち…

高田馬場「浦野屋 やきとん てるてる」

「秋元屋系」というか、秋元屋から枝分かれした「ひなた系」の店には、できるだけ行くようにしている。まず裏切られることはない。この店は3年ほど前にできたとのこと。高田馬場駅から西側へ五分ほど歩いたところにある。 メニューは、「ひなた」をほぼ踏襲…

石神井公園「天盃」

知人のfacebookで知り、大学からの帰りに途中下車。まだ日が高いというのに、地元の中高年でほぼ満員だ。 魚料理が中心だが、焼き鳥・もつ焼きもあるという、実に私好みの店。魚料理の充実ぶりは特筆もので、この日のホワイトボードメニューは、本マグロ中ト…

中村橋「菜香村箸」

この日は大学からの帰りに、中村橋で飲むことにする。これまで1度くらいしか行ったことのない街で、まったくあてはなかったのだが、日本酒が揃っていそうなこの店に入ってみることにした。 入ると、壁一杯に張り出された日本酒メニューが目をひく。獺祭八五…

椎名町「魚波 椎名町漁港」

椎名町の駅前に最近できた、海鮮居酒屋。全体で何軒あるのかわからないが、小規模チェーン店らしい。この店はわりと小さめで、一階はカウンターとテラス席。二階もあるらしい。 看板の刺盛りは、小結(五八〇円)、大関(一〇〇〇円)、横綱(一五〇〇円)と…

椎名町「馬刺酒家 一家」

この日の帰りは、練馬から椎名町まで西武線で行き、もう一軒寄ることにする。それが、前から気になっていたこの店。馬刺を前面に出した店で、店名は「いちや」と読ませる。椎名町店のほか、桜台店と常盤台店があるらしい。 看板の馬刺は、霜降り、タテガミ、…

椎名町「やきとん 博多屋」

先日の「四文屋」に続いて、椎名町に開店したもつ焼きの店。「やまちゃん」とあわせて、この道沿いの近いところに三軒が並ぶことになった。 一串の値段は、一部を除いて一〇〇−一五〇円。焼きとりもあって、こちらは九〇−一五〇円。一品料理も、普通の居酒屋…

椎名町「四文屋」

椎名町に「四文屋」が開店した。焼きとり、焼とん、焼ぎゅうと三種類揃った業態で、メニューと値段は、もちろん他店と共通。住宅地だけに、表の看板には「おもちかえり やっています」を前面に出している。 さっそく入ってみたが、六時頃という時間の割には…

椎名町「やまちゃん」

椎名町に最近できた、やきとんの店。やきとんのメニュー見ると、かしら、かしらあぶら、から始まって、ちれ、半焼きちれ、あぶらなどが並ぶ。サイドメニューは、キャベツみそ、山芋しょうゆ漬け、がつ酢など。そして飲み物は、サッポロラガー、ホッピー(シャ…

高田馬場「とん八」

今日は、研究会で早稲田キャンパスへ。八時くらいに終わり、高田馬場まで戻って居酒屋を物色する。見つけてすぐにいい店だと直感して入ったのが、ここ。以前行った「青柳」の隣である。 縄のれん、古びた木の内装、カウンターに下げられた黒塗りの木の値札。…

所沢「BUGSY」

この日は、留学するゼミ生の壮行会で、この店へ。イタリアン中心のカジュアルダイニングである。 ワインの種類が多く、値段はリーズナブル。生ハムとオリーブの盛り合わせ、カルパッチョ、パテなど、前菜的な料理がいろいろあるのは、酒飲みにはうれしい。し…

富士見台「くろちゃん」

授業のあと、どこで飲もうかと少し考えた末、まだ行ったことのないこの店へ。富士見台の駅を降りて東南方向へ少し歩き、区界を越えて中野区に入った場所だ。 この店の店主は、野方の「秋元屋」、中野の「石松」と、二大名店で修業したという人物。秋元屋系と…

「小手指ショッピングアーケード」

小手指にまともな居酒屋なんかないだろう、と思っていたが、同僚に古くからある飲食店街の存在を教えてもらい、さっそく行ってみることにする。 なるほど、道の両側に居酒屋がちらほら。ビールの看板あり、ホッピーの提灯あり。元は魚屋だったという「佐藤水…

所沢「東屋」

この日はゼミのあと所沢へ移動して、一回目のゼミ飲み会。場所は、学生がバイトしているというこの店。繁華街とは反対側の住宅地のなかで、これは教えてもらわないと見つけられそうにない。古民家風の造りで、板の間に座布団を敷いて座る。 メインは豚と鶏の…

所沢「百味」

今日は研究室の引越しで、まず武蔵大学へ。荷物の搬出を終えて、所沢キャンパスへ。 書籍がたくさんある引越しの場合、本の配列がでたらめになるのを覚悟で梱包と開梱を業者に任せるか、それとも疲労困憊するのを覚悟で自分でやるか、思案のしどころだ。今回…

椎名町「北の誉」

椎名町は、池袋から西武線に乗って一駅目。ほとんど都心のうちといっていい場所だが、下町風の庶民的な商店街のある住宅地だ。昔ながらの魚屋、八百屋、惣菜屋などが並び、いい古本屋もある。そして、居酒屋も。以前から入ってみたいと思っていた店に、入っ…

沼袋「沼袋バルkadoccino023」

仕事のあと、もつ焼きを食べに「たつや」へ寄る。帰りに見かけて入ったのが、この店。五月にオープンしたばかりらしい。 名前の通り、ちょっとスペイン風にイタリアンを加味したようなバルである。グラスとカラフェ(スパークリングの場合はボトル)を選べるワ…

沼袋「たつや」前の猫

仕事のあと、沼袋の「たつや」へ。ここへ来るときはたいてい、タクシーを最低料金だけ利用する。案の定、刺身はない。レバテキというのがあるので、これは中は生なのかと聞くと、「保健所のご指導の下、中はツルツルです」という。表面には焦げ目が付いてい…

野方「すっぴん酒場」

野方でもう一軒と、入ってみたのがこの店。もつ焼き中心の立ち飲み屋だが、店主は有名店で修業したとのことで、レベルは高い。もつ焼きは種類が多く、一本一〇〇円。レバ刺し(四〇〇円)はピンと角が立ち、新鮮そのもの。ホッピーセットが三八〇円と安いのも…

野方「秋元屋」

最近、「ひなた」「たつや」など、秋元屋から独立した人の店ばかり行っていたので、久しぶりに本家本元を訪ねてみることにする。野方の駅から南側の商店街に出て、すぐに左へ入れば、少し離れた場所に赤提灯が見える。 相変わらず、繁盛している。入って左側…

沼袋「鳥はし」

仕事のあと、タクシーで沼袋へ。いったんは駅の近くまで乗ったのだが、途中で見かけた大衆酒場風の店が気になり、小雨の降るなかを歩いて引き返す。たどり着いたのが、この店だ。実は私、「居酒屋 とり橋」というバーチャル居酒屋(要するに掲示板)をやってい…

沼袋「ホルモン」

大学から近いことに気付き、ときおり出かけるようになった沼袋。今日は、ちょっと有名なこの店へ。紺地に白で縁取った「ホルモン」の赤文字が堂々たる風情である。 店内は並行カウンターとテーブル席がいくつか。もつ焼きは一本一一〇円だが、レバーとコブク…

沼袋「やきとん たつや」

西武新宿線は、ふだん乗ることのない路線だが、野方の「秋元屋」をはじめとして、いい店が点在している。そこに「秋元屋」で修業した人が新しい店を開いたと聞いた。最寄りの駅は、沼袋。それなら、私の職場からいちばん近い駅だ。そこで新江古田駅のある交…