比較的最近できた店だと思うが、店先の暖簾に「魚 魚が安くて旨い」と大書されていて、前から気になっていた。入るのは、この日がはじめて。自慢の刺し盛りは、三種と五種の二つがあり、それぞれ680円と900円。1人なので三種を注文したが、鮪、鯛、鰤と王道の組み合わせで、味は合格点。
酒はというと、生ビール(スーパードライ)が480円、瓶ビール(スーパードライと赤星の二種)が580円というのはリーズナブルである。問題は日本酒で、羽根屋、鳳凰美田、春鹿、栄光富士など品揃えは悪くないが、小さなグラスで990円から1200円と高い。日本酒好きにはあまり勧められない。
四条河原町にほど近く、四条から木屋町をほんの少し上がった場所。文字通りの中心街だから少々高いのはやむを得ないが、ビールと刺身だけにしておいた方がよさそうだ。(2026.8.26)
京懐石 美濃吉
祇園祭は終わってしまったが、もう少し京都のことを書いていこう。
京都発祥の日本料理チェーン店といえば、さきがけは「美濃吉」だろう。料理店としてのはじまりは江戸時代の川魚料理店で、戦後の一時期は大衆路線で店を広げたが、現在は旧東海道から京都への入り口にあたる粟田口の「本店竹茂楼」を筆頭に、関西に一〇店、関東に八店を構える。いちおう料亭とはいえるが、ビルの上階の気取らない店が多く、ふだんはそれほど混まないので、ふらりと立ち寄ることもできる。
私がよく行くのは、四条河原町の交差点に面したビルの八階にある「美濃吉四条河原町店」で、年末年始もずっと営業している。料理は手軽な弁当が2600円から、コース料理が6000円から。酒飲みにとってうれしいのは、酒の値段が居酒屋とあまり変わらないことで、大吟醸などに手を出さなければリーズナブルに楽しむことができる。たまに外国人観光客で混雑することがあるが、普段はそれほど混まないし、ネットからも予約できる。少人数ならば、窓際のカウンター席をお勧めしたい。東山を眺めながら、酒と料理を楽しめる。大文字山も見ることができ、送り火の日は舞妓さんのお酌付きで、特別料理が楽しめるらしい。
料理店から見る山鉾巡行
現在、祇園祭の山鉾巡行の通り道となっているのは、四条新町から四条河原町、四条御池、新町御池。この道沿いには、食事や酒を愉しみながら山鉾巡行を見物できる料理店がいくつかある。なかには四条河原町の交差点に近く、辻回しを見物できる店もある。今年の後祭では、そんな店を予約して、季節の懐石料理を愉しみながら辻回しを見物するという贅沢をさせてもらった。4月からずっと忙しかったのだから、たまにはこんな贅沢もいいだろう。常連の皆さんに迷惑がかかってはいけないので、ここでは店名など伏せておくが、インターネットで検索すれば見つかるだろう。
錦市場と「錦平野」


祇園祭とビアホール「ミュンヘン」
いよいよ京都は祇園祭の季節である。各種の祭事は7月1日から始まるが、観光客にとってのメイン・イベントは、何といっても山鉾巡行だろう。山鉾巡行は、前祭と後祭に分かれる。前祭は7月17日に行なわれ、高さ25メートル、重量12トン近くにもなる長刀鉾を先頭に、23基の山鉾が午前9時に四条烏丸付近を出発し、四条河原町、河原町御池、烏丸御池と反時計回りに進み、すべて終了するのは午後2時ごろとなる。後祭は7月24日で、牛若丸と弁慶が五条大橋の上で戦ったという故事をモチーフとした橋弁慶山を先頭に、11基の山鉾が午前9時半に烏丸御池付近を出発し、前祭とは逆に河原町御池、四条河原町、四条烏丸と時計回りに進み、すべて終了するのは午後1時ごろとなる。
祇園祭を見に行くとして、よそ者の酒飲みにとって気になるのは、昼過ぎに終わってしまう山鉾巡行のあと、気軽に飲みに行ける店があるのかということだろう。このところ毎年、祇園祭を見に行っては飲み歩いているので、少し紹介していくことにしたい。あくまでも東京に住む京都初心者のことだから、絶品料理のある穴場などというものは紹介できないが、多少の参考にはなるだろう。
まず紹介したいのは、老舗ビヤホールの「ミュンヘン」。四条河原町交差点の鴨川よりを少し北に進んで1本目の路地を鴨川方向に入ったところにある。ビールはアサヒだが、スーパードライではなく、「マルエフ」と呼ばれる昔からの生ビールを出すので、ビール通にも文句はないだろう。一人客におすすめなのは、入り口横の「スタンド」という一角で、平日の昼間限定で提供される「ちょい飲みセット」。小グラスに小皿料理2品がついて1250円とお得。最初にこれを注文し、次のビールに進むのが私の定番である。ただし祇園祭期間中はこのセットがお休みとなるうえ、店は大変な混雑になる。写真は5年ほど前のもの。

京都「京都醸造タップルーム」

次のブルワリーは、京都駅の南、九条と十条の間にある「京都醸造」。近鉄線や市営地下鉄の十条駅からも行けるが、かなり歩くのでバスを使った方がいい。営業は金土日の週3日。もともとは1階タップルームと2階フロアで飲食できたらしいが、コロナ禍のため中止し、タップルームで買ったビールを屋外のテーブルで飲むというスタイルになっている。ビールの種類が多く、この日は9つのタップに樽がつながっていた。ベルギースタイルが得意のようで4種類、他にもアメリカンIPA、ピルスナーなど。いずれもスタイルの真ん中をいく、鮮やかな味わいのビールだった。
3月4日現在は持ち帰りのみだが、3月12日から営業を再開するとのこと。(2020.12.12)
京都府京都市南区西九条高畠町25-1 https://kyotobrewing.com [3月12日以降の営業予定] 金:17:00~20:30 (LO 20:00) 土日:12:00~18:00(LO 17:30)
京都「ウッドミルブルワリー」

こちらは京都市中心街の北端、同志社の近くにある「ウッドミルブルワリー」。ガレージの奥に作業場、さらに奥に醸造所があり、土曜と日曜のみ、作業場に椅子とテーブルを出してタップルームを開店している。この日のラインナップは、エールが三種類と、ベトナム産ハーブを使った「スアンエール」。私はアメリカンスタイルの「和らぎIPA」をいただいたが、その名の通りIPAにしては苦みが控えめで、香りが良くスムーズな味わいだった。
現在は緊急事態宣言下のため、商品販売のみとのこと。行く場合は、ホームページで確認を。(2020.12.12)
京都府京都市上京区 上立売通小川東入上る挽木町528番地 土日 11:00~16:00 woodmill-brewery.kyoto
京都「スプリングバレー京都」

11月から12月にかけて1ヶ月間、形式的に立命館大学に籍を置き、2021年度に実施する大規模調査のための下見と資料収集のため、京都市に滞在した。当然、あちこちの居酒屋等にも行ってきたので、しばらくはそのときのことを書こうと思う。
京都のクラフトビールといえば、黄桜、キンシ正宗という2つの大手日本酒メーカーが、かなり以前から製造を開始していたが、これに続く動きは少なかった。しかし近年、マイクロブルワリーが次々にオープンして、活発な動きを見せている。
まずは大手のキリン系列から。キリンビールは「スプリングバレー」というブランドでクラフトビール事業を展開しているが、2017年に新たに開店したのが、「スプリングバレー京都」。錦市場の近くにある築100年にもなるという町家を改築して、ブルワリーとレストランを併設している。ビールのスタイルは多様だが、10種類の飲み比べセットがあるから、まずはこちらを注文するといい。大手の手がけるクラフトビールだけに、驚きは少ないがどれも質が高い。レストランメニューも充実している。(2020.12.1)
京都府京都市中京区 富小路通587−2 11:30~20:00 水休
