橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

京都「スプリングバレー京都」


 11月から12月にかけて1ヶ月間、形式的に立命館大学に籍を置き、2021年度に実施する大規模調査のための下見と資料収集のため、京都市に滞在した。当然、あちこちの居酒屋等にも行ってきたので、しばらくはそのときのことを書こうと思う。
 京都のクラフトビールといえば、黄桜、キンシ正宗という2つの大手日本酒メーカーが、かなり以前から製造を開始していたが、これに続く動きは少なかった。しかし近年、マイクロブルワリーが次々にオープンして、活発な動きを見せている。
 まずは大手のキリン系列から。キリンビールは「スプリングバレー」というブランドでクラフトビール事業を展開しているが、2017年に新たに開店したのが、「スプリングバレー京都」。錦市場の近くにある築100年にもなるという町家を改築して、ブルワリーとレストランを併設している。ビールのスタイルは多様だが、10種類の飲み比べセットがあるから、まずはこちらを注文するといい。大手の手がけるクラフトビールだけに、驚きは少ないがどれも質が高い。レストランメニューも充実している。(2020.12.1)

京都府京都市中京区 富小路通587−2
11:30~20:00 水休