橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

フィレンツェ「イル・トスカーノ」

フィレンツェはイタリア有数の観光地だが、ローマやミラノのように広くはないので、観光客密度がものすごく高い。街を歩いていても、おそらく通行人の9割くらいは観光客ではないかと思われるほど。ウフィッツィ美術館やドゥオモなど、主要な観光スポット近く…

ヴェローナ ロメオの家?「オステリア・アル・ドゥーカ」

野外オペラをみた翌日は、市内をいろいろ歩いて観光したあと、ヴェローナの郷土料理をいただこうと、このリストランテへ。ここはシェイクスピアの悲劇「ロミオとジュリエット」のロミオの生家ともいわれている。もうひとつ、ジュリエットの家とされている建…

ヴェローナ・円形劇場でのオペラ公演とビール売り

フィレンツェから鉄道でヴェローナへ。眼目は、古代の円形劇場で上演される「アイーダ」である。円形劇場の周囲には、レストランが並んでいるが、概して高い。料理一皿が最低10ユーロ、大概は15ユーロ以上という店が多く、入る気がしない。唯一、セルフサー…

トスカーナ「ファンティ」

パリ生活にも慣れたころ、ちょっと足を伸ばしてイタリアへ。本拠地としたのはフィレンツェで、ここからトスカーナのワインツアーに出かける。最初に訪れたのは、テヌータ・サン・フィリッポ(TENUTA SAN FILIPPO)という作り手のFANTIというワイン。ブルネッロ…

パリ カルチェ・ラタン「ル・アイルランデーズ」

アパルトマンのすぐ近く、先日は革命記念日前夜のお祭り騒ぎを見に行った広場に面したところにあるアイリッシュパブである。アイリッシュパブといっても、ギネスとキルケニー、そしてアイルランド風のメニューが少々あるというだけで、実質的にはカフェーで…

仔牛のハツのクリーム煮

近くのスーパーで、仔牛のハツを買ってきた。300グラムで2.5ユーロくらい。どう料理しようかと考えたが、まず作ったのが、このクリーム煮。といっても、ほとんど手間をかけていない。ハツとタマネギ、ニンニクをバターで炒め、スープストックとローリエで煮…

仔牛のカシラの煮込み

とあるレストランで出会ったのが、この料理。カシラの煮込みである。カシラと呼ばれる肉の部位は、頭の脂、ゼラチン質から、こめかみや、ほっぺたあたりの肉までが含まれる、はずだと思う。すると、全部集めて煮込めば、肉、ゼラチン、脂などが、混然一体の…

鴨ささみの湯引き

パリの、マルシェと称するスーパーマーケットでは、日本ではみたことのない食材をいろいろ売っている。日本では滅多に見かけない仔牛は、ごく普通の食材で、肉はもちろんのこと、レバーやハツも普通に売られている。羊もいろいろな部位、それにやはりレバー…

アンドゥイエットの煮込み

というわけで、作ってみたのが、この料理。モツのソーセージ、アンドゥイエットを買ってきて、15センチほどあったものを2つに切る。これを、日本から持参した鰹出汁、醤油、日本酒、砂糖、生姜、ニンニク、タマネギといっしょに煮込み、日本から持参した味噌…

パリ・革命記念日前夜祭

夕食を終えて、寝酒を飲んでいるころ、窓の外から音楽が聞こえてくる。そうだ、革命記念日の前夜には、あちこちで歌えや踊れやの大騒ぎがあると聞いた。そこで、ムフタール通りに面したコントレスカルプ広場へ出かけた。小さなステージが設けられ、バンドが…

アンドゥイエット

アパルトマンには台所があるのだが、着いたばかりで料理の態勢が整わないため、レストランへ。この日行ったのは、ムフタール通りからエコール・ノルマル・シュペリュールの方に少し入ったレストラン街にある、バスク料理の店。この日のメインに選んだのは、…

カルチェ・ラタンの我が家

7月6日にパリへ移動し、知人から借りたアパルトマンに落ち着いた。カルチェラタンの東寄り、ロラン通りである。ムフタール通りのレストラン街の近くである。石畳の道路の北側は小学校で、南側にはアパルトマンが並んでいる。落ち着いたのは、この写真中央の3…

サウスハンプトン「ドルフィン」

サウスハンプトンでいちばん美味しいビールを出すと評判なのが、この店。英国最後の夜は、ここへ行くと決めていた。CAMRAの支部の本拠地のような位置づけらしく、サウスハンプトン・ビアフェスティバルで優勝したSwift Oneというビールを常備している。その…

ストラトフォード・アポン・エイボン「クイーンズ・ヘッド」

1泊2日で、ストラトフォードへ。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの「夏の夜の夢」をみるのが主目的だったが、当然ながらパブにも。最初に入ったのが、この店。 英国のパブにはいろんな名前があって、思わず笑ってしまうことが少なくないが、この店の看…

ハイランドウイスキーとハイランドウォーターでつくるハイボール

ウイスキーは高いのだが、やはり現地の食べ物と一緒に飲みたいので、グレンリベット12年を買った。安売りで、16.99ポンド(3550円)。ハイランドの水は、スーパーや駅の売店など、あちこちで売っている。炭酸入りと炭酸なしがあり、いずれもやや硬水ながら硬す…

ロンドン「イーグル」

何度も書くように、英国の料理はまずいというのが定評で、それはパブでも例外ではない。美味しい料理を出す店もあるのだが、ごくありふれたフィッシュ・アンド・チップス、魚をエビに代えただけのプロウン・アンド・チップス、ミートパイ、スモークサーモン…

ロンドン「ザ・ベア・アンド・スタッフ」

英国にはイングリッシュ・ソーセージというものがある。朝食によく出てくる腸詰めのソーセージなのだが、概して美味しくない。つなぎにパン粉か小麦粉でも入っているのか、もっさりした食感で、かんでも肉汁はほとんど出てこないが、塩味だけはかなりきつい…

ロンドン「ダブ」

このブログを読んでいただいている「呑み助」さんに教えられていったのが、このパブ。ロンドンの西方、ハマースミス橋の近くで、入り口は狭い路地にあるが、店の奥はテムズ川に面したテラスになっている。残念ながらこの眺めのいいテラス席は、週末の今日は…