橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『「格差」の戦後史 増補新版』

二〇〇九年に刊行され、好評をいただいた『「格差」の戦後史』ですが、近く増補新版が出ることになりました。初版にあった部分は、細かな訂正と修正を行なっただけですが、巻末に「地域間格差の戦後史」「戦後史のなかの若者の貧困」「戦後史のなかの主婦」…

川越「小麦市場」

この日は、ふと思い立って川越へ。駅から歩いて、喜多院、そして蔵の街を散策したあと、バスで向かったのは、ここ。 以前は小江戸ブルワリーのブルーパブだったと思うが、醸造拠点の移転とともに店名が変わったらしい。自社ビールは、ラガータイプの伽羅、ス…

中野「常蔵」

中野駅に近い、目立たない路地で四時に開店する立ち飲み屋。立ち飲み屋と言っても、酒も料理も一流。黒板メニューには、十四代が五種類、鍋島、田酒、貴、姿、雅山流など日本酒ファン垂涎の日本酒がずらりと並ぶ。料理も、一〇種類ほどの刺身をはじめ、手の…

スローフードジャパン燗酒コンテスト2013 入賞酒お披露目パーティ

昨年に続き、今年も参加。燗酒のバリエーションはますます広がっている。端麗な大吟醸から、フルーティーな原酒タイプのものまで。入賞酒は一二七点、そのうち最高金賞が一六点。三〇点ほど試飲したが、美味くない酒はない。乾杯の挨拶で審査員の山同敦子さ…

中野「やきや」

この日は、某雑誌の取材の下見で中野へ。オフィスビルや明治大学・平成帝京大学の校舎など、高層ビルが増えてすっかり都心化した中野の街だが、飲み屋街もチェーン店がずいぶん増えて、これまた都心化している。しかし、一本脇道に入れば以前のままだし、南…

「裏や」

何度も書いているように、池袋には日本酒の品揃えのいい店が多い。多いだけに、まだ訪れるチャンスのない店もいくつかあるのだが、ここはそのひとつだった。この日は少し暇だったので、早めの時間に訪れてみた。目立たない店構えで、しかも地下だから、つい…