橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「マルキ市場」

韓国訪問ですっかり韓国料理にはまってしまい、今日は近所の「マルキ市場」へ。名前は経堂本店だが、住所は桜上水で、赤堤通沿いにある。このほか下北沢、吉祥寺、三軒茶屋など、全部で一〇店舗あるとのこと。 この店の特徴は入場料というシステム。店に来た…

ソウルで飲む

韓国社会政策学会の国際シンポジウムに出席するため、ソウルへ行ってきた。初めての訪問である。 一一月二二日に羽田を発ち、その日は梨泰院のホテルに泊まる。ここは米国キャンプのある場所で、輸入雑貨の店が多く、通行人にも米国人らしい若者が目立つ。繁…

「谷野旅館」

法事で、実家へ行ってきた。仕事の都合でわずか一泊二日、滞在時間は二四時間にも満たない忙しい旅だったが、こんなことができるようになったのも、能登空港のおかげである。税金の無駄との批判は多く、実際に採算が合っているとは思えない。なにしろ、定期…

川本三郎『旅先でビール』

川本三郎三人説というのがあるそうな。映画評論、文芸評論、都市論と三つの分野で膨大な数の著作をものにしているので、こんなことが一人でできるはずがない、三人いるはずだ、というわけである。しかしこういうエッセイだと、三つの分野が完全にクロスオー…

「名酒センター」

今日は「月刊ビミー」のインタビューで、浜松町の「名酒センター」へ。近くまで行くと、代表取締役の武者英三さん(写真右)が、店の前で待っていて出迎えてくれた。「名酒センター」は、株式会社ヤングマーケティング研究所の経営する日本酒のPRセンターで…

「吾作・ちえ分店」

京王線の下高井戸駅のホームから、いかにも古い大衆居酒屋の雰囲気を漂わせた店が二軒並んでいるのが見える。いつか行きたいと思いつつ、1年ほどが過ぎた。ところが、行こうとするとけっこう難しい。世田谷線のホームを経由すればすぐ前に出るようだが、普通…

お知らせ

今日11月8日、NHK教育テレビ午後10時50分からの10分番組、「視点・論点」に出演します。新著『階級社会──現代日本の格差を問う』の内容から、中心部分を簡単にお話しします。ただし、居酒屋の話はしません(笑)。階級社会 (講談社選書メチエ)作者: 橋本健二出…

「天ん洋」

原稿を持って、赤入れに近所の居酒屋へ。今日は歩いて五分ほどの「天ん洋」である。この店は、経堂に引っ越してくる前に、情報を仕入れて訪れたことがある。魚料理中心のメニューに、日本酒一〇種類ほどと、焼酎三〇種類ほどを揃える。焼酎は、熱心な二代目…

「日本橋紅とん」再訪

NHKの「視点・論点」に出ることになったのだが、話の筋がまとまらないので、資料をカバンにつめ、居酒屋を求めて家を出る。日曜日なので、選択肢は限られる。そこで、気になっていた「紅とん」を再訪することにした。時間の余裕がなかったうえに、日曜日…

「第二力酒蔵」

今日は仕事のあと中野へ。まず四文屋で焼きとんを肴にビールを飲み、喉を潤してから妻と落ち合い、二人で第二力酒造へ。この店はビールがスーパードライなので、一軒目には行かないのである。 店内はかなり広い。向かって左側の入り口から入ると、右側にカウ…