橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「日本橋紅とん」再訪

NHKの「視点・論点」に出ることになったのだが、話の筋がまとまらないので、資料をカバンにつめ、居酒屋を求めて家を出る。日曜日なので、選択肢は限られる。そこで、気になっていた「紅とん」を再訪することにした。時間の余裕がなかったうえに、日曜日ではふだんと客層が違うことが明らかなので、客の記録は省略。
問題のもつ焼きの出来だが、今回は合格だった。炉を見ると、適度の量の炭がいい具合に燃えている。カシラを塩で、シロと豚トロをタレでいただき、ビール二本と黒ホッピーを飲み、キュウリも食べて二二〇〇円ほど。これなら、また来ようという気になる。他の店は行ったことがないが、これなら心配ないだろう。(2006.11.5訪問)