橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

王子・十条

十条「Beer++ 十条すいけんブルワリー」

前回も書いたが、いまクラフトビールの最先端は、住宅地近くの小さなブルーパブだ。この店は、JR十条駅の改札を出て三分ほどの店。一階が立ち飲みスペース、二階はテーブル席になっている。タップは七つで、カレー粉を使ったもの、赤胡椒を使ったもの、ワ…

十条「斎藤酒場」

この日は、仕事が一区切りついたので、明るいうちから飲むことにする。一軒目は赤羽の「まるます家」で、ビールを飲みながら鯉の洗いやたぬき豆腐をいただく。相変わらずの大繁盛だが、平日の昼間となれば待たずに入れることもある。そして二件目は、十条の…

飛鳥山

今年の花見は、王子駅近くの飛鳥山へ。ここは徳川吉宗が作った公園で、江戸時代から庶民の花見の場所として親しまれたところ。渋沢栄一邸があった場所でもあり、現在も渋沢資料館と渋沢庭園がある。名前の通り起伏が多く、混んでくると傾斜地にシートを敷い…

王子「山田屋」

都内をいろいろ回ったあと、何となく足を運んだのが、この店。店に入ると、フロアを取り仕切っている店長(?)が座る前に「生でいい?」という。いいよというと、すぐに持って来たのはキリンの中生(三九〇円)。名物の半熟卵は、小鉢に蕎麦を添えて供されるも…

「斎藤酒場」

今日は私の掲示板「居酒屋とり橋」のオフ会で、「斎藤酒場」へ。折からの雨と寒さの中、五時に十条駅に集合。これなら余裕で入れると考えていたのだが、甘かった。店内はほとんど満員。しかし、今日集まったのはわずか三人なので、店の人が一人客に少し移動…

斎藤酒場

だいぶ酔いが回ってきたが、ここまで来たら十条の斎藤酒場にも行かないわけにいくまい。というわけで、赤羽からJR線で一駅目の十条で降り、斎藤酒場へ。この店もいまや、東京を代表する居酒屋の一つとしてすっかり有名になった。創業は昭和三年で、店内には…