橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

十条「斎藤酒場」

classingkenji2015-10-17

この日は、仕事が一区切りついたので、明るいうちから飲むことにする。一軒目は赤羽の「まるます家」で、ビールを飲みながら鯉の洗いやたぬき豆腐をいただく。相変わらずの大繁盛だが、平日の昼間となれば待たずに入れることもある。そして二件目は、十条のこの店へ。ずいぶんとご無沙汰だった。二年ほど、来ていないのではないだろうか。開店一〇分前に行くと、だいぶ行列ができている。五時になっても、中に案内されるのは三−四人ずつ。注文を取り終わってから、次の人を入れているようだ。いい配慮だ。
やはり、ここに来たら串かつ、そしてポテトサラダ。少し値上げしたようだが、安いのは相変わらず。「まるます家」がずいぶん高く思えるほどだ。しかも、味は水準をいっている。酒もそうで、日本酒など一合一六〇円の酒とはとうてい思えない。すぐに満員になったが、一時期ほどには人をぎゅうぎゅう詰めにしなくなったようだ。その分、居心地も向上している。やはり、たまには足を運びたい名店である。
写真は、SONYのα6000に、Zeissのレンズをつけて撮ったもの。空気感が出ているだろうか。(2015.8.21)

北区上十条2-30-13
16:30〜23:30 日休