橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

十条「Beer++ 十条すいけんブルワリー」

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 前回も書いたが、いまクラフトビールの最先端は、住宅地近くの小さなブルーパブだ。この店は、JR十条駅の改札を出て三分ほどの店。一階が立ち飲みスペース、二階はテーブル席になっている。タップは七つで、カレー粉を使ったもの、赤胡椒を使ったもの、ワインの絞りかすを使ったものなど、ユニークなビールが多い。グラスはLとSがあり、Lは九〇〇円から一二〇〇円、Sは五〇〇円から七〇〇円といったところ。シトラホップを大量に使った「しとら」と、ワインの絞りかすを使ったポーターをいただいたが、いずれも上出来。
 常連さんが多いようで、スタッフがドイツで買ってきたというビールを分けてもらったり(私もいただいた)、料理を分け合ったりと、和気あいあい。こんな店が増えれば、大手ばかりがはびこる日本のビール文化は変わるはずだ。(2019.8.29)

北区上十条2-7-13
17:00~23:00
15:00~22:00(土・祝) 日月休