橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

京成線沿線

青砥「小江戸」

この日は、国立歴史民俗博物館で開催されている「1968年」展を観に、京成線の佐倉へ。旧知の荒川章二さんを中心とする企画だが、当時の反政府活動へのシンパシーを感じさせる、国立らしからぬ展示で、見応えがあった。観客には、団塊世代と思われる男女が多…

立石「秀」

京成線でここまで来たからには、立石にも寄らなければ。立石の街をひととおり徘徊した後、行ってみたのは、この店。立石は日曜休みの店が少なくないけれど、ここはモツ焼系の店で日曜営業の代表格だろう。 まずは豚モツ刺身三点盛り(五〇〇円)と、ハイボール…

八広「丸好」

この日は、なぜか立石の「二毛作」で飲みたいと思い立ち、出かけたはいいのだが、途中でfacebookをチェックすると、宇ち中さんの書き込みで臨時休業であることが判明。そこで目的地を変更し、移転・改装した四ツ木の「えびす」へ行ってみたのたが、残念なこ…

柴又「川千家」

今日は、ふと思い立って柴又へ。柴又は、なかなか交通の不便な場所で、小田急線沿線からだと千代田線に乗って常磐線の金町まで行き、京成線に一駅だけ乗るか、二〇分ほど歩くということになる。今日は天気も良いし、歩くことにする。 帝釈天の参道は、週末と…

立石「宙」

ここまで来たら、立石にも寄りたい。というわけで、「うちだ」を横目で見て、この店へ。先日の『古典酒場』立石新年会のとき、参加していた蜜柑さんが経営するカフェバーだ。立石も、こういう新しい店がちらほらでき、ますます賑わっているのは喜ばしい。先…

押上「松竹」

浅草からさらに、押上まで歩く。間近で見るスカイツリーは、さすがに大きい。周りには、カメラをもった人々が群がっている。映画「ALWAYS 三丁目の夕日」では、建設途中の東京タワーのCGが話題になったが、五〇年後になると、この建設途中のスカイツリーが映…

立石「二毛作」

三軒目は、仲見世商店街にあるこの店。おでんがメインの店だが、洋風メニューもあり、酒も焼酎・日本酒に加えて、ギネス、バスペールエール、スコッチが数種類、カクテル十数種類など揃っていて、まさに多国籍型。昼過ぎからやっているので、いろんな目的に…

立石「串揚げ100円ショップ」

次に向かったのは、以前もほぼ同じメンバーで来たことがある、この店。串揚げが一〇〇円均一という激安店。串揚げは種類が多く、たいがいのものは揃っていて、酎ハイ類も二五〇円からと安い。立石駅の南口に出て、線路沿いを青砥方向に少し歩いた場所にある…

『古典酒場』新年会in立石

今日は『古典酒場』の新年会で、立石へ。この新年会は、最近、三栄書房を辞めて自分のオフィスをもった倉嶋編集長の独立祝いを兼ねたもので、当然、企画は「酔わせて下町」の藤原さん。集まったのは、浜田さん、余語さん、やなちゃんなど。まずは、「呑んべ…

鳩山・宇ち多へ行く

首相日々:12日 ◇午後 5時 9分 東京・立石の立石仲見世商店街。 38分 同商店街の居酒屋「もつ焼 宇ち多」。仙谷由人行政刷新担当相、松井孝治官房副長官、中山義活首相補佐官らと食事。

曳舟「岩金酒場」

京成曳舟からキラキラ橘商店街と反対方向に出て踏切を渡ると、曳舟川通りがある。ここで道の向こう側を右に曲がり、少し歩くと見えてくるのが、この「岩金酒場」。黒地に雄渾な筆致で書かれた「大衆 岩金 酒場」の文字が素晴らしい。暖簾も、いい。店内は、…

曳舟「三祐酒場 八広店」

京成曳舟から歩いて三分ほど、明治通りに面して「キラキラ橘商店街」の入り口がある。この界隈は、東京大空襲で奇跡的に焼け残った場所で、戦前からの古い商店と民家が、ところどころに残っている。映画「下町の太陽」では、主人公の町子(倍賞千恵子)が家族…

四ツ木「吉か」

今日は出版の打ち合わせで、四ツ木へ。まあ、打ち合わせと称した飲み会というのは、昨日と同じだが、今日は本のタイトルを決めるという重要な課題があった。この日には決まらなかったが、メールのやりとりなどで、「居酒屋ほろ酔い考現学」に決定。七月はじ…

堀切菖蒲園「小島屋」

京成線の堀切菖蒲園駅から歩いて2分ほど。「元祖ハイボール」を名乗る老舗の居酒屋である。創業は終戦直後で、凹型カウンターの現在の店になってからも、すでに40年が経つとのこと。ハイボールの元祖については諸説があるが、もっとも古い店の一つであること…

四つ木「ゑびす」

立石の隣の駅が、四つ木。荒川のすぐそばで、かつてセルロイド工場が集中する工場街だった場所。駅は何の変哲もない高架式だが、階段を下りて左手に出ると、昭和の雰囲気の古い商店街が始まる。五分ほど歩くと、商店街は右側にゆるくカーブしていくが、その…

立石「江戸っ子」

今日は、京成線沿線へ。「古典酒場」の立石ツアー以来の訪問である。向かったのは、「江戸っ子」。この店は、「宇ち多」とちがって照明が明るく、店の全面がガラス張りの開放的な雰囲気で初めてでも入りやすい。着いたときはもう満員に近かったが、何とかカ…

鐘ヶ淵「大吉」

東武線の鐘ヶ淵駅は、北千住から南へ三駅目のところ。かつては鐘淵紡績、後のカネボウの大工場があり、このあたりではもっとも栄えた場所だった。隅田川べりの工場の跡地には、今は団地が建っている。この駅と、南の京成線八広駅の間は、下町酒場好きの間で…

立石「江戸っ子」

立石の居酒屋ツアーで外せないのは「宇ち多」と「江戸っ子」だろう。集合して最初は「宇ち多」へ向かったのだが、なんと5時前だというのにもう売り切れで閉店。恐るべし、「宇ち多」。そこでしばらく立ち飲みの串揚げ屋で時間をつぶし、5時20分頃「江戸っ子…

古典酒場 in 立石

今日は、ムック『古典酒場』で出会った居酒屋仲間たちと、立石で飲み会。時期的には忘年会だが、とくにそう銘打ったわけではない。立石に住む藤原さんの案内で、立石の居酒屋めぐりをしようというわけである。実は私、真昼に何かの空き時間で立石に立ち寄っ…

四ツ木「吉か」

「ゑびす」の次は、あらかじめ目をつけておいた「吉か」。藤原さんの酔わせて下町にも取り上げられていて、自家製ブレンドの酎ハイというのに惹かれたので、場所を確認しておいたのである。店に入ると、左側がカウンターで、奥にはテーブル席。まずは酎ハイ(…

四ツ木「ゑびす」

五〇〇〇〇カウント記念にどこで飲もうかと、少し考えた。いい機会だから、前から行ってみたかったところへ行ってみよう。というわけで、都営地下鉄を大江戸線、新宿線、浅草線と乗り換え、さらに京成線で荒川を渡り、四ツ木へ。ここへ来たのは初めてである…