橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

立石「江戸っ子」

classingkenji2008-04-23

今日は、京成線沿線へ。「古典酒場」の立石ツアー以来の訪問である。向かったのは、「江戸っ子」。この店は、「宇ち多」とちがって照明が明るく、店の全面がガラス張りの開放的な雰囲気で初めてでも入りやすい。着いたときはもう満員に近かったが、何とかカウンターに滑り込む。注文したのは、もちろんハイボール(三〇〇円)。もつ煮込み(二八〇円)は、シロを中心に、他の部位も何種類か入れて豆腐と一緒に煮込んであり、たいへん美味しい。タレ焼きのカシラ(四本二八〇円)も、絶品。料理は、これで経営が成り立つのかというくらい安い。ハイボールで利益を出しているのだろう。飲んだあとは、この店と駅の間あたりを散策。古い木造の居酒屋やスナックが密集する「呑んべ横丁」を歩いていると、ここはどこなのか、本当に二一世紀の東京なのかと、軽いめまいを覚える。(2008.4.11)

葛飾区立石7-1-9
16:30〜21:00 日休