橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

木場「つちや」

この日の三軒目は、木場のこの店。「寿し炉端」と称し、元来は鮨屋のようだが、魚料理を中心にメニューが豊富で、日本酒も揃っている。 この日の刺身は、くるりと捻れていかにも生きのいい赤貝、ほとんど生に近いしめ鯖、太い脂の筋が走る大トロ、透明なホタ…

門前仲町「ゆうちゃん」

この日は、まず下町フィールドワーク。浅草からスカイツリーの前を通り、ここから京島・橘銀座界隈へ。さらに東へ進んで旧中川に至り、現中川との接続の様子を確認してから、旧中川沿いに南下する。亀戸天神で亀の大群を観察し、そこからさらに南下して運河…

スローフードジャパン燗酒コンテスト2012 入賞酒お披露目パーティ

この日は、酒文化研究所が主催するイベントへ。コンテストは七月に審査会が行われ、一五九社から三四一点が出品、審査員の評価スコアの平均値で上位三〇%を金賞、三%を最高金賞と認定したとのこと。入賞酒一覧は、こちらに公開されている。 表彰式も兼ねた…

穴子と岩海苔のオーブン焼き

簡単に作れておいしいという、おすすめの酒肴である。 穴子は皮のぬめりを包丁で取り、三センチ幅くらいに切り、キャセロールに敷き詰める。ニンニク一かけを五ミリ角くらいに刻んで散らし、塩を振ってから岩海苔を載せる。そこにオリーブオイルをかけ回して…

立ち飲み Shin-Washoku 到 東池袋店

二軒目は、やはり今日初めて見つけたこの店。 立ち飲みとはあるが、入って左側のテーブルの一部には、椅子もある。料理は、店名の通り和食をアレンジした無国籍料理で、たとえば「ポルチーニ茸と大葉の出汁巻卵チーズフォンデュ風」「サーモンとキノコのホイ…

「えんざ」

池袋を歩いていて初めて存在に気づき、入ってみた。大きな繁華街には、まだまだ見落としがある。店名は「円座」だろうか。店頭に「加賀屋」と関係があるようなことが書かれていた。 なるほど、加賀屋だ。もつ焼きともつ煮込み鍋を中心に、刺身や焼き魚、揚げ…

江古田「暁」

先日、「鳳雛」を紹介したが、江古田の名酒居酒屋をもう一軒。江古田には「酒の秋山」という、全国から有名・無名の優れた日本酒を集めて売る酒屋があり、私も時々買いに行くのだが、この店の経営である。 酒にも季節のメニューがあり、今回のメニューは「秋…