橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

新著近刊

一二月五日に新著が発売されます。題して「階級都市」。東京を主要な対象とした都市論の本ですが、とくに本ブログの読者の皆さんに読んでほしいのは、第5章。港区、板橋区・練馬区、文京区、世田谷区、足立区をとりあげ、実地で歩いて格差拡大がもたらした…

松江「松江堀川地ビール館」

松江出張の最後は、地ビールを飲みに行く。松江城の近く、小泉八雲旧居から歩いて五分ほどと、便利な場所だ。地ビールを作っているのは島根ビール株式会社で、ブランド名を「松江地ビール ビアへるん」という。工場と同じ建物に別経営のレストランがあり、こ…

松江「朔屋」

松江には、地元の酒、それも純米原酒や大吟醸など珍しいものをいろいろ飲ませる店が何軒かある。七月に紹介した「佐香や」もそのひとつだが、もう一軒。こちらの店は、島根のすべての銘柄を揃えていて、店先に「酒は純米 燗ならなお良し」と上原浩の言葉が掲…

松江「diningなごみ」

店構えといい店名といい、洋風のダイニングなのに、店頭にあるメニューは和風というのに興味をもって入ってみたのが、この店。 刺身の種類が多い。しかも、ハタハタ、クエ、ヨコワ、ノドグロなど、珍しいものが多い。しかも安く、高級魚のノドグロ、クエも九…

松江「川京」

仕事で、松江へ。七月にも来たから、今年二回目だ。この日訪れたのは、この店。 内海隆一郎の作品に「鰻のたたき」という短編がある。松江へ単身赴任していた男が、東京に帰ってから病死するのだが、死の直前、「松江に、松江に」とうわごとをいって涙を流し…

御徒町「まーちゃん」

調べてみたら、「秋元屋」系の店がもう一軒あった。それが御徒町の東側、多慶屋を通り過ぎたあたりの裏手の、灯りの少ない寂しい通りにあるこの店。 やはりメニューは、秋元屋と共通。通好みの焼酎や日本酒がいろいろ置いてあるのも同じ。ただし、「野方屋」…

高円寺「野方屋」

「秋元屋」系のモツ焼き屋は、たいがい行ってるつもりだったが、ただ一軒行っていなかったのが、この店。今日になって、ようやく行くことができた。駅の南口を出て、線路沿いに新宿方向へ少し歩いた場所にある。 大きな店ではないが、カウンターとテーブル席…

金沢「黒百合」

金沢の最後は、必ず立ち寄ることにしているこの店。駅ビルの中にあり、店を出て三分もあれば列車に乗ることが出来る。昔は地下街の狭くて薄暗い店で、地元の常連客ばかりだったが、今では広く明るく、観光客も気軽に立ち寄れる店になった。この店は小堀酒造…

金沢「よし久」

二日目の晩は、居酒屋というより郷土料理店のこの店。金沢駅にほど近く、創業が一九五四年という老舗だが、現在はビルになっている。玄関脇には、メニューやランチコースの写真などがいろいろ貼られていて、観光客でも入りやすそうだ。 大きな店だけに、たい…

金沢「ぼんぼり」

せっかくの金沢だからもう一軒、というわけで木倉町へ。少し店を物色し、見つけて入ったのが、この店。比較的新しい店のようで、地元の若者客が多い。くつろいで飲んでいたので、記録はとっていないが、メニューは幅広く、郷土料理や魚介類もひととおり揃っ…