松江「川京」
仕事で、松江へ。七月にも来たから、今年二回目だ。この日訪れたのは、この店。
内海隆一郎の作品に「鰻のたたき」という短編がある。松江へ単身赴任していた男が、東京に帰ってから病死するのだが、死の直前、「松江に、松江に」とうわごとをいって涙を流していた。娘は、男には松江に愛人がいたのではないかと疑い、母と一緒に男が常連だった店を訪れる。この店の名が「川郷」で、名物は鰻のたたき。この店の名物である。
鰻を蒸して細かく刻み、皿に盛ってから青葱の入った出汁をかけ回したものらしい。ウナギの脂の濃厚な味はそのまま、口当たりがすっきりしていて、たいへん美味しい。島根の濃醇な地酒にも、よく合う。松江の古い市街の中心部にあり、歩いていればすぐに見つかる。狭い店で観光客も常連客も多いので、予約した方がいい。(2011.11.2)
松江市末次本町65 18:00〜22:30 日休
- 作者: 内海隆一郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1997/11
- メディア: 文庫
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