橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

赤坂「ホブゴブリン」「すっとこどっこい」

今日は、7時からサントリーホールで読売日響の定期演奏会を聴く。矢代秋雄の協奏曲2曲を中心とするプログラムで、堤剛と中村紘子が熱演。いいコンサートだった。その後は赤坂へ。 まず入ったのは、以前から行きたいと思っていたブリティッシュパブのホブゴブ…

「金ちゃん」

夕方、練馬区の有識者会議のため練馬区役所へ。八時過ぎに終わり、懸案のもつ焼き屋「金ちゃん」へ。 店はけっこう広く、それぞれ七人ほど座れる向かい合わせのカウンターと、テーブルが七つ。店主はカウンターの内側で串を焼き、煮込みを管理する。そのほか…

「トロ函」

営業活動で、新小岩の都立高校へ。体育館に50ほどのブースが作られ、経済学・心理学・社会学・社会福祉・看護など、領域別に生徒を集めて説明会である。最近、この手の仕事が多い。めったに来ない場所なので、終わった後は当然、居酒屋を物色する。 小岩と名…

居酒屋から見た格差社会

先週、10月5日の毎日新聞に、「居酒屋から見た格差社会」という記事で登場しました。居酒屋考現学、マスコミに初公開です。いまのところ、他から取材依頼も執筆依頼も来ませんねぇ(笑)。記事の本文は、 http://www.mainichi-msn.co.jp/tokusyu/wide/news/200…

世田谷「酒の高橋」

原稿の書き出しが決まらないので、資料と紙束をカバンに入れ、自転車で「酒の高橋」へ。六時少し前だが、カウンターはほぽ満席、テーブル席は半分ほど埋まっていた。まずはサッポロ黒ラベルと刺身三点盛りを注文。お通しの小さく切ってくるりと丸めた秋刀魚…

「ポパイ」

すみだトリフォニーホールでコンサートを聴いたあと、JRで一駅の両国へ。駅から歩いて二分の所にある「ポパイ」は、各地の地ビールを樽生の状態で四〇種類も揃えるという、日本の地ビールの聖地とでもいうべき場所である。店主の青木さんは地ビール界では…

「萬屋松風」

『階級社会──現代日本の格差を問う』(講談社)の打ち上げで、池袋へ。相手は講談社の編集者二人。行き先は、ちょっと久しぶりになる「萬屋松風」である。 木の引き戸を開けて店内に入り、入り口近くの席をとる。この店は、飛騨高山の民家を模して作られたとの…