橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

総武線沿線

両国 大相撲観戦後の居酒屋事情

この日は久しぶりの全面休日。まずは上野公園へ行き、そこから散歩しながら浅草へ。ちょうど三社祭の最終日で、浅草は大賑わい。地元の人も、日本人観光客も、外国人も、みんな祭りを楽しんでいる。しかし、どう見ても地元の人がいちばん楽しそうだ。若者も…

両国「吟」

今日は、必要があって深川あたりを歩く。終点は両国。六時過ぎ、あらかじめ探しておいて入ったのが、この店。 喫茶店だった場所を居抜きで使っているらしく、煉瓦で飾った外装も、カウンターに小テーブルがいくつかという店内の内装も、およそ日本酒の店らし…

小岩「立ち呑み酒場 さくら」

そろそろ帰ろうかと小岩駅方向に歩いていて、見つけたのがこの店。手前にはテーブル席があるが、メインはその奥のカウンターでの立ち飲みのようだ。ホッピーセットが二八〇円、ハイボールが二六〇円、酎ハイは一六〇円、清酒二一〇円など、安い。料理もいろ…

小岩「大竹」

今日は営業活動で西葛西へ。ここまで来て、まっすぐ帰ることはない。そういえば、江戸川区で縦(南北)方向の移動はしたことがなかったなと気がつき、バスに乗ることにする。西葛西から船堀へ、一度乗り換えて新小岩へ。今度は総武線に乗って小岩へ。駅周辺を…

秋葉原「赤津加」

三軒目は、都営浅草線と総武線を乗り継いで、秋葉原へ。アニメとゲームの街の賑わいは相変わらずだが、この店もあいかわらず。有名店になって、もう何年になるか、開店と同時に入ったのだが、すぐに続々と客が入ってくる。中年の一人客が多く、カウンターか…

小岩「菊乃家」

二軒目に入ったのは、この店。駅を北側に出て、線路沿いに少し歩いた左側。奥行きのある店内で、奥の方はけっこう広い。串焼きは、豚、鶏、野菜といろいろあって、三本四〇〇円から。マグロ刺し七九〇円、イカ刺し六九〇円など、刺身類も何種類かある。この…

小岩「一力」

今日は、フリーライターの藤木TDCさん、出版社の編集者と小岩駅で待ち合わせ。小岩で飲むのは、実は今回が初めて。これまで気になっていながら、なぜか訪れるチャンスがなかった場所である。なせ小岩にしたかというと、雑誌「荷風」の六月号に藤木さんが、か…

浅草橋「西口焼きとん」

今日は「古典酒場」の座談会。会場は、二月と同じくこの店である。場所はテーブルと椅子のある「やきとん広場」のほう。こちらのスペース、以前は土曜は閉まっていたはずだが、いつの間にか営業するようになったらしい。座談会の顔ぶれだが、「酔わせて下町…

浅草橋「やまと」

座談会が終わって、外へ。この面々が、一軒で終わるはずはありませんね。次に向かったのは、「やまと」。噂には聞いていたが、私は初めて。入ってみてすぐに分かる、飴色に輝く名店。しかも、何もかも安くておいしい。なにしろ、瓶ビール四〇〇円、生大四四…

浅草橋「西口焼きとん」

今日は、恒例の「古典酒場」の座談会で、浅草橋のこの有名店へ。座談会なので、場所はテーブルと椅子のある「やきとん広場」のほう。メンバーは、浜田さん、藤原さん、ワイタベさん、やなちゃん、そして編集長の倉嶋さん。前回はパリ滞在中でお休みだったの…

両国「ポパイ」

今日は義妹を連れて両国へ。まずは江戸東京博物館を見学。私は何度も来ているので足早に展示物を通り過ぎるのだが、初めて来るといろいろ珍しいのか、妻と義妹はずいぶん時間をかけてみている。こちらは少々時間をもてあまし気味。しかし、売店で「映画で東…

浅草橋「むつみ屋」

浅草橋の東口の近く、銀杏岡八幡神社の斜め向かいにあるこの店、どこにも紹介されたのを見たことがないのだが、けっこう名店だと思う。なにより、雰囲気がいい。写真の店構えを見ただけで「おっ」と惹かれる人もいるのではないか。間口が広く、入って右側に…

小岩「大竹」

今日は、高校への出前授業で亀戸へ。亀戸周辺の居酒屋でも、と思ったのだが、まだ五時前ということもあって、これといった店が見つからない。そこで下調べしておいた平井の「松ちゃん」を目指したのだが、あいにく水曜日は定休。仕方がないので小岩まで行き…

「トロ函」

営業活動で、新小岩の都立高校へ。体育館に50ほどのブースが作られ、経済学・心理学・社会学・社会福祉・看護など、領域別に生徒を集めて説明会である。最近、この手の仕事が多い。めったに来ない場所なので、終わった後は当然、居酒屋を物色する。 小岩と名…

「ポパイ」

すみだトリフォニーホールでコンサートを聴いたあと、JRで一駅の両国へ。駅から歩いて二分の所にある「ポパイ」は、各地の地ビールを樽生の状態で四〇種類も揃えるという、日本の地ビールの聖地とでもいうべき場所である。店主の青木さんは地ビール界では…

「赤津加」

行ってきたわけではありません。思わぬところで看板をみました。 昨日テレビで放送された、映画「電車男」の最後、電車男とエルメスが秋葉原の街中で抱き合うシーンの背景に、看板が映ります。背景はかなりCG処理されているようなので、この居酒屋の良さを…