橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

両国「ポパイ」

classingkenji2007-09-18

今日は義妹を連れて両国へ。まずは江戸東京博物館を見学。私は何度も来ているので足早に展示物を通り過ぎるのだが、初めて来るといろいろ珍しいのか、妻と義妹はずいぶん時間をかけてみている。こちらは少々時間をもてあまし気味。しかし、売店「映画で東京散歩」を見つけて買ったのは収穫だった。
その後は、当然「ポパイ」へ。ここは知る人ぞ知る地ビールの聖地で、全国から選び抜かれた数十種類の地ビールを最高の状態で飲むことができる。店主の青木さんは斯界の有名人で、いわば地ビール界のヒーロー。地ビール関係のイベントで彼があいさつに立つと、大歓声が起こるくらいだ。どれを飲んでも美味しいのだが、それだけに私は、最近の地ビールに少し不満がある。カスケードという種類のホップを大量に使ったアメリカン・スタイルのペール・エールが多すぎる。イギリス風の正統派ペール・エールや、ドイツ風のアルトビアが飲みたい。なかなか飲めないから自分で造っているというのが、本当のところでもある。
この店でお得なのは、指定された10種類ほどのビールのどれかを注文すると、ハーフサイズの料理がおまけに付いてくる「オーサマセット」。迷ったら、この中から中濃色タイプのエールを選べば、まず間違いはない。(2007.9.15)