橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

小岩「菊乃家」

classingkenji2009-10-27

二軒目に入ったのは、この店。駅を北側に出て、線路沿いに少し歩いた左側。奥行きのある店内で、奥の方はけっこう広い。串焼きは、豚、鶏、野菜といろいろあって、三本四〇〇円から。マグロ刺し七九〇円、イカ刺し六九〇円など、刺身類も何種類かある。このあたりではやや高めで質重視の、割烹的居酒屋といったところだろう。
小岩は駅を中心にあちこちに飲食店街が広がり、けっこう奥が深そうだが、藤木さんによると古くからある店の多くが閉店し、跡地に最近できた店が目立つとのこと。しかし、こうした新しい店もハイボール、もつ焼きといった下町文化を継承している場合が多いようだ。自宅から見ると、東京二三区の端と端。なかなか行かない場所だが、一度しっかり探索してみたいものである。(2009.10.15)

江戸川区西小岩1丁目28-19