橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

古典酒場 in 立石

classingkenji2007-12-29

今日は、ムック『古典酒場』で出会った居酒屋仲間たちと、立石で飲み会。時期的には忘年会だが、とくにそう銘打ったわけではない。立石に住む藤原さんの案内で、立石の居酒屋めぐりをしようというわけである。実は私、真昼に何かの空き時間で立石に立ち寄ったことはあるのだが、飲むのは今回が初めて。立石は、東京の大衆酒場の聖地ともいうべき町。駅の周辺に個性的な大衆酒場が密集し、地理的にも、また地元民密度の濃さという点でもハードルはやや高いが、東京の居酒屋文化を語る上では外せない存在である。とくにディープなのは、駅の北側にある「呑んべ横丁」である。写真で古い看板をみて感心しているのは、「居酒屋礼賛」の浜田さんと、『古典酒場』編集長の倉嶋さん。見てわかる通り、ヤミ市直系の飲食店街で、いまや貴重な文化遺産といえる。すでに再開発の計画があるとのこと。いまのうちに通って、その姿を記録にとどめておきたいものである。(2007.12.22)