橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

青砥「小江戸」

classingkenji2017-12-19

この日は、国立歴史民俗博物館で開催されている「1968年」展を観に、京成線の佐倉へ。旧知の荒川章二さんを中心とする企画だが、当時の反政府活動へのシンパシーを感じさせる、国立らしからぬ展示で、見応えがあった。観客には、団塊世代と思われる男女が多い。一時間以上かけていっただけの甲斐はあった。
帰りは、当然居酒屋を探す。青砥駅で降りて、駅周辺を歩いて見つけたのが、この店。これは一歩踏み入れただけでそれとわかるほどの、久しぶりに出会った素晴らしい名居酒屋である。
メニューのメインはもつ焼き、そしてもつ煮込みにモツ刺しだが、魚の刺身や酢の物、揚げ物、野菜料理など、居酒屋料理はほぼすべて揃っている。白味噌ベースの煮込みは、シロを中心にいろんな部位が入っている。デフォルトは三五〇円だが、一人なら二五〇円の「小」で十分だ。マグロのすきみを注文したら、手作業ですいたことが一目でわかる、特上の一品がわずか二七〇円。串焼きは二本一皿で二二〇円。焼き色もよく、ジューシーで美味しい。早い時間から、常連らしい客が次々に入ってくる。
下町風ハイボールのグラスと中身に、見覚えがある。帰りに主人に聞いたところ、やはり立石の「江戸っ子」で働いていたとのこと。下町の新しい名店。また行ってみたいものだ。(2017.12.5)

葛飾区青戸3-39-3 優和ビル 2F
16:30〜22:00 (土15:00〜20:30) 日休