橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

池袋「SCHMATZ」

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 池袋にドイツビールを飲ませる店ができたと聞いて、行ってきた。西口と東口の両方にあるが、私が行ったのは西口の方で、ルミネ池袋の九階。都内に十数店舗あるチェーンらしい。
 テーブルに通されて、ビールのメニューを眺めてみる。ビールは七種類で、ヴァルドリング(エクスポート)、プリンツィンガー(ピルスナー)、ビットブルガー(ビルスナー)、フェルンベー(ペールエール)、ヘルツ(デュンケル)、ハッフェッンストッフ(ポーター)、そして時々変わるおすすめビール(この日はサッポロのエーデルピルスとのこと)。値段はグラスで六五〇円から八五〇円なのだが、一二〇分飲み放題が二五〇〇円だというから、これにするしかない。
 まずは、ビットブルガーから。飲みながらビールの説明書きを読むと、「新鮮なドイツビールを提供するため、ドイツビールの伝統製法をよく知る日本国内のブルワリーと提携」して作っているとのこと。ビットブルガー以外、知らないビールばかりで、しかも英国風までまじっているのは、そういうわけである。いったい、どこが醸造しているのだろうか(ビットブルガーだけは樽で輸入しているようだ)。
 ビールは、どれも美味しい。ビットブルガーは安定した旨さだが、とくにデュンケルが気に入った。ペールエールとポーターは、製法が英国風で、ドイツのホップを使っているのかも知れないが、確信はない。
 料理はTAPAS(なぜかスペイン風)と称する五〇〇円メニューがあって、こはだのロールモプス、三種のテリーヌ、ポークレバーパテ、ジャーマンポテトなど。一人なら、これを注文すればいいだろう。
 結局、七種類すべてを制覇して、ビットブルガーをおかわりしたところで時間が来た。ちょうどいい具合で、格安。また来ることにしよう。(2019.9.14)

豊島区西池袋1-11-1 ルミネ池袋店 9F
11:00~22:30 無休