橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

アンドゥイエット

classingkenji2008-07-14

アパルトマンには台所があるのだが、着いたばかりで料理の態勢が整わないため、レストランへ。この日行ったのは、ムフタール通りからエコール・ノルマル・シュペリュールの方に少し入ったレストラン街にある、バスク料理の店。この日のメインに選んだのは、バスク特有の料理というわけではないと思うが、豚のモツのソーセージ、アンドゥイエットである。日本ではほとんどお目にかかることがないが、こちらでは肉屋やデパートで普通に売っている。太さもいろいろで、スライスして食べる大きなもの、丸ごとで一人前になるものなどいろいろで、値段は安い。食べ方も、焼いたり煮込んだり。この店では、マスタード入りのブラウンソースで煮込んだものが出てきた。たいへん美味しい。濃いめの赤ワインと合わせるのがいいようで、この日は南仏の濃厚ワイン、カオールといっしょにいただいた。フランスにはモツ料理がいろいろあるという。しばらくはモツ焼きともモツ煮込みともお別れなので、いろいろ探して試してみたい。(2008.7.7)