橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

沼袋「やきとん たつや」

classingkenji2010-10-21

西武新宿線は、ふだん乗ることのない路線だが、野方の「秋元屋」をはじめとして、いい店が点在している。そこに「秋元屋」で修業した人が新しい店を開いたと聞いた。最寄りの駅は、沼袋。それなら、私の職場からいちばん近い駅だ。そこで新江古田駅のある交差点でタクシーを拾って行ってみることにした。タクシーは、ギリギリ最低料金。クセになりそうな近さだ。
基本は長いコの字型だが、手前が飛び出て五角形になった変形のカウンター。すでに客がかなり入っている。焼き台のすぐ前の席に座って、もつ刺し盛り合わせとホッピーをいただく。モツ刺しは、ハツ、レバー、コブクロで、鮮度は問題なし。刻んだ生ニンニクが、味を引き立てる。もつ焼きは「秋元屋」並に大きく、味も良い。焼酎は、富乃宝山、角玉、ダバダ火振など七種類、日本酒も数種類あり、何と磯自慢もある。
店長はともかく、バイトがあまり仕事慣れしていないのが少々気になったが、開店してまだ半年だから、これから改善されていくだろう。仕事の帰りに、ときどき寄らせてもらおう。(2010.9.30)

中野区沼袋3-27-6
17:00〜24:00 水休