橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

銀座「坐来」

classingkenji2010-10-22

今日は出版社との打ち合せで、銀座へ。外堀通りに面したビルの八階にあるこの店は、大分の郷土料理の店。大分県が経営するアンテナショップも兼ねており、エレベーターを降りたところのホールには、地元産品やガイドブックなどが並んでいる。
郷土料理店といっても少々グレードが高く、郷土料理をリファインした懐石料理店といった趣である。たとえば「ごっそう」と称する写真の一皿は、小鹿田焼の大皿に、関アジ、イカ、サワラを品良く盛り込み、カボスと山葵、柚子胡椒を添えたもの。大分の郷土料理として有名な「りゅうきゅう」なども、オリジナルのたれを使い、一面に青ネギと白髪ネギを載せて出す。鮎のうるかを使った野菜のバーニャカウダと鮎の一夜干しの皿など、オリジナル料理もある。
日本酒は「八鹿 源」「鷹来屋 若水」「西の関 美吟」、焼酎も「耶麻美人」「銀座のすずめ 琥珀」「閻魔」など、大分の選りすぐりを揃え、安心院ワインもプレミアム級のものを数種類出す。
というわけで、当然安いとはいえないが、居酒屋風郷土料理店とはひと味違う料理をいただくことができる。(2010.10.5)

中央区銀座2-2-2 ヒューリック西銀座ビル8F
17:30〜23:00 日祝第一土休
http://www.zarai.jp/index.html