橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

さらば「お志ど里」

classingkenji2018-12-02

江古田のシンボル的存在だった大衆酒場「お志ど里」。閉店したという話は聞いていた。この日、毎月一度の散髪に行き、ついでに「酒の秋山」で紀土の新酒を買って、江古田駅に向かうと、目に飛び込んできたのがこの光景。ほんとになくなってしまったんだ。
最初に行ったのは、まだ大学院の修士二年の時だから、三五年前。武蔵大学で学会があった帰りに、先輩たちに連れてこられたのが最初だった。武蔵大学に勤めるようになってからは、何度も足を運んだ。何人の学生たちと、テーブルを囲んだだろう。
L字型の土地に建ち、入り口が二箇所あった。この土地をそのまま活用して建物が建ち、その一階に入る、などということは考えにくい。永久にお別れなのだろう。合掌。