橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

高田馬場「とん八」

classingkenji2014-06-07

今日は、研究会で早稲田キャンパスへ。八時くらいに終わり、高田馬場まで戻って居酒屋を物色する。見つけてすぐにいい店だと直感して入ったのが、ここ。以前行った「青柳」の隣である。
縄のれん、古びた木の内装、カウンターに下げられた黒塗りの木の値札。まさに昭和の居酒屋である。うれしいことに、刺身ともつ焼きがある。生ビールが五五〇円、中瓶はキリンとサッポロがあって五〇〇円、日本酒二合が五八〇円、サワーが三二〇円。不良で高値のカツオ刺しも、この店では五二〇円。クジラの刺身は五〇〇円、もつ焼きは一本一〇〇円と、何でも安い。そして味も悪くない。名店といわれる店には及ばないけれど、十分美味しい。小さな店で、サラリーマンたちが肩を寄せ合って飲んでいる。高田馬場に来たら、また寄ってみよう。(2014.5.23)

新宿区高田馬場3-2-12
17:00〜23:00