橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

高田馬場「青柳」

classingkenji2010-06-21

今日は、江古田で知り合った音楽業界のYさん、Uさんと、高田馬場で待ち合わせ。どこか行きたい店はありますか、というので、こちらから指定したのが、この店である。有名店だと思うが、私は初めて。「魚」と大書した赤提灯と、高田馬場の「さかえ通り」から左に細い路地を入った場所にある。「宮内庁御用なし まずい魚」という看板がユニークだ。
看板の通り、魚のメニューがずらりと並ぶ。刺身だけで九種類。盛り合わせを頼むと、量が多いから二人前でちょうどだろうという。出てきたのは、マグロ、ヒラマサ、タイ、イワシ、くじら、ホタルイカトコブシがずらりと並んで、実に見事なもの。二人前だというのに、トコブシはちゃんと三個つけてくれた。値段は時価だが、会計から推測するに、おそらく五〇〇〇円くらいだろう。煮物や焼物も色々ある。野菜を使った酒肴もあり、じゅんさいの酢の物、ワラビのおひたしは、新鮮そのものの素材の味がくっきりと感じられた。
酒もなかなか充実していて、「醸し人九平次」「飛露喜」「加賀鳶」「末廣」など一〇種類ほど。焼酎も良いものを揃える。大いに飲んで食べて、一人五〇〇〇円を少し超える程度。この界隈にはあまり詳しくないのだが、魚を食べて飲むなら、この店がよさそうだ。(2010.6.1)

新宿区高田馬場3-2-12
17:00〜23:00 土日休