橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

高田馬場「新橋やきとん 高田馬場店」

classingkenji2010-07-12

今日は仕事のあと、思い立って高田馬場へ。まずは、先日バーボンのボトルをキープした「マイルストーン」に行き、ジャズを堪能。一度、この装置でジョージ・セルモーツァルトを聞いてみたいものだ。その後、途中の道で見つけたこの店へ。チェーン店だが、私の行動範囲にないためか、入るのは今回が初めて。
やきとんは一部を除いて一〇〇円。やき鳥、野菜ものは一二〇円から一三〇円。特筆すべきはホッピーの安さで、セットで何と三〇〇円。中は一八〇円だから、普通の飲み方なら四八〇円で二杯飲めるということになる。サワー類は三〇〇円。その他、生ビール、マッコリが三八〇円、本格焼酎四八〇円など。
客は、七割が若者で、残りがサラリーマンといったところ。若者は大部分が早大生のようで、安物のファッションの割にとんがっていて、とくに女の子たちはシャープな話し方をする。無精ひげにTシャツ、ジーンズといった思いっきりムサイいでたちの男の子が、足を投げ出し、ふんぞり返って酒を飲む。早大生は実力があるからダサくていいんだ、といわんばかり。こういう若者が毎年一万人近く卒業していくのだと思うと、気が遠くなる。(2010.6.22)

新宿区高田馬場1丁目34-14 山崎ビル1F
16:00〜04:00(火〜土) 16:00〜24:00(月日祝) 無休