橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

椎名町「四文屋」

classingkenji2014-11-14

椎名町に「四文屋」が開店した。焼きとり、焼とん、焼ぎゅうと三種類揃った業態で、メニューと値段は、もちろん他店と共通。住宅地だけに、表の看板には「おもちかえり やっています」を前面に出している。
さっそく入ってみたが、六時頃という時間の割にはまあまあの盛況。店員も、てきぱき動いている。と思ったら、「四文屋」のシャツを着た男が自転車でやってきて、店員に「煮込みとタレだけ見にきました」といって、煮込みとタレの色・味をチェックする。なるほど。チェーン店臭さを出すことなく、水準を保っているのが「四文屋」の良いところだが、このように味の管理をしていたのか。
近所に工事中の店があり、こちらももつ焼きの店らしい。秋元屋系ともいえる「やまちゃん」とあわせ、椎名町はもつ焼きの名所となりつつあるようだ。(2014.10.21)

豊島区長崎1丁目4-5