橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

沼袋「鳥はし」

classingkenji2010-12-03

仕事のあと、タクシーで沼袋へ。いったんは駅の近くまで乗ったのだが、途中で見かけた大衆酒場風の店が気になり、小雨の降るなかを歩いて引き返す。たどり着いたのが、この店だ。実は私、「居酒屋 とり橋」というバーチャル居酒屋(要するに掲示板)をやっていて、字は違うものの同じ名前の居酒屋に出会えたのはちょっとした感激である。
名前の通り、ここは焼鳥屋さん。地鶏ネギマ、地鶏肉、合鴨つくね、鳥つくね、レバー、砂肝など、すべて一〇〇円と安い。ミックスというのがあるので何かと聞くと、砂肝と鶏皮を交互に刺したものという。何種類か頼んで食べてみたが、いずれも美味しい。他には、煮込み、黒豚シュウマイ、セリのおひたし、煮物など。ビールは、生がヱビスで、瓶はアサヒ。日本酒は、秋田の「秀よし」。これがなかなか美味しかった。
もとは鳥肉店とのことで、店先でテイクアウトの焼鳥を売っている。タウンページなどには「小松屋鳥肉店」と載っているらしいので、行くときにはご注意を。沼袋駅からバス通りを新青梅街道方向に三分ほど歩いて戻り、右に入ったところにある。(2010.11.22)

中野区沼袋2丁目32-6(小松屋鳥肉店)