橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

自由が丘「間」

classingkenji2011-06-17

「間」と書いて、「あわい」と読む。福島県川俣町で古くから闘鶏用に飼われていた軍鶏を、食用の鶏と掛け合わせて作られた川俣軍鶏を出す店だというので、入ってみることにした。実は先日、満員で入れなかったので、店の前まで来たのは2回目である。まずは燻製盛り合わせと串焼き4種類を注文。ビールは琥珀ヱビスで、細身のグラスに三〇〇ミリリットルほど入って、六五〇円。燻製が先に出て来るかと思ったら、串焼きが先。思ったほど歯応えは強くなく、すっと噛み切れ、ジューシーな焼き上がり。臭みは皆無で、すっきりした旨み。燻製は、あらかじめ燻製にしてあった物をその場で焼いて出すとのことで、たいへん香りがいい。レバー、砂肝、モモ肉の三種類。実に味わい深い。赤ワインによかったかもしれない。軍鶏治部煮は、治部煮というより創作料理の類で、赤と黄色のピーマンがユニーク。焼酎が三〇種類、日本酒は二〇種類ほど。魚介類も多い。自由が丘という場所柄、安いというわけにはいかないが、十分リーズナブルだと思う。客は裕福そうなご夫婦から学生まで幅広い。(2011.5.4)

目黒区自由が丘2-11-11 水谷ビル2F
17:00〜03:00 水休