橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

伏見「鳥せい本店」

classingkenji2009-12-31

オフ会の二軒目、というよりメイン会場はこの店。有名店だが、私は初めて。何とも風格ある店構えで、中はかなり広い。空席はあるのだが、注文の集中を避けるためか席の準備に少し時間をとっているようで、五分ほど待たされる。待合席の周辺には、伏見ガイドマップや、地元の子供が書いた「鳥せい新聞」(?)など飾られていて、退屈はしない。
大きな焼鳥屋、居酒屋には違いないのだが、家族連れが多く、ファミレスのような雰囲気もある。メインの酒は地元の「神聖」で、蔵出し原酒が四〇〇円、純米大吟醸・松の翠が六五〇円、燗酒が一合三七〇円など。焼鳥は一三〇−一五〇円で、万願寺とうがらし二二〇円、生麩田楽二三〇円など、京都らしい串焼きもある。日本酒ベースのサワー類は四三〇円で、京都産の梅や、柚子、スダチなどを使っている。
店が大きい割に、注文はスムーズだ。奥の方には蔵を改造した個室があり、コース料理で宴会を開くことも可能。伏見観光の折には、寄ってみる価値がある。
というわけで、関西オフ会、そして紫式部さんとの再会の宴は、大いに盛り上がったのだった。(2009.12.13)

京都市伏見区上油掛町186 
11:30〜23:00 月休