橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

西武線沿線

高田馬場「新橋やきとん 高田馬場店」

今日は仕事のあと、思い立って高田馬場へ。まずは、先日バーボンのボトルをキープした「マイルストーン」に行き、ジャズを堪能。一度、この装置でジョージ・セルのモーツァルトを聞いてみたいものだ。その後、途中の道で見つけたこの店へ。チェーン店だが、…

高田馬場「マイルストーン」

二軒目は、ジャズバーへ。正面にマッキントッシュの堂々たるオーディオセットが鎮座し、シャープなサウンドが流れる。ジャズバーにありがちな、ドラムとベースの低音を過度に強調した音ではなく、あくまでハイ・フィデリティ。 メニューは、ウイスキーとカク…

高田馬場「青柳」

今日は、江古田で知り合った音楽業界のYさん、Uさんと、高田馬場で待ち合わせ。どこか行きたい店はありますか、というので、こちらから指定したのが、この店である。有名店だと思うが、私は初めて。「魚」と大書した赤提灯と、高田馬場の「さかえ通り」か…

中井「楽屋」

中井駅のすぐそば、踏切に面した場所、ちょっと雑然とした雰囲気の入り口から階段が二階へと続いている。貼り紙には「中井駅にいちばん近い居酒屋です。ワンコイン以下のお酒各種、酒菜40品目以上。区内町御用達 酒菜研究所」とある。 階段を上ってみると、…

中井「鳥香」

今日は、ふと思い立って、帰り道に中井で降りてみる。通勤で使っている地下鉄大江戸線だが、西武線に乗り換えて野方の「秋元屋」へ行こうかなどということでもない限り、ここで降りることはなかった。西武線の踏切の周辺に、少し賑やかな商店街があり、心惹…

高田馬場「みつぼ」

「みつぼ」は、江戸川橋と池袋にある豚モツ料理の名店で、池袋店は以前紹介したことがある。最近になって、三店目が高田馬場駅の戸山口を出てすぐの場所にオープンした。ご覧の通り、山手線のホームからよく見える。店内はけっこう広く、テーブルが十数卓あ…

高田馬場」「鳥やす」

このブログでは、これまでおそらく四〇〇軒くらいを紹介してきたと思うが、まだまだ空白地帯がいくつもある。そのひとつが高田馬場で、今日は山手線で途中下車してみる。まず向かったのは、有名な焼鳥屋のこの店。駅からガードをくぐって山手線の外に出ると…

東長崎「やきとり大将 どん」

西武池袋線で池袋から二駅目が東長崎。豊島区の最西端にあたるこのあたり、長崎、南長崎という地名はあるが、東長崎という地名はない。なぜこんな駅名になったかというと、九州の長崎と区別するためだとか。古い商店街がある。駅の近くにはバラック飲み屋街…

新井薬師「四文屋」

あちこちの店を訪問している、ニューウエイブやきとりチェーンの四文屋だが、発祥の地は新井薬師らしい。一度行ってみたいと思っていたのだが、ようやく空き時間に行くことができた。 何の変哲もない店構えで、店内の雰囲気も、他の四文屋と同じ。メニューも…

東長崎「セビアン」

今日は、教授会のあと、新任の先生たちの歓迎会で、このレストランへ。ご覧のように、パリの下町の小さなビストロのようなかわいい外観。料理は本格的で、しかも安い。前菜二種、スープ、魚料理と肉料理のコースで、なんと三九五〇円である。本日の料理は、…

椎名町「正ちゃん」

椎名町駅北口ちかくにある、魚料理の店。もともとは魚屋らしく、外のショーケースに魚の煮物や焼き物を並べて売っている。入ると五席ほどの小さなカウンターがあり、奥にはテープル席。二階もあるらしく、宴会でもやっているのか、次々に人が入ってくる。ホ…

椎名町「かど」

灯台もと暗しというべきか、大学のある江古田からわずか二駅目の椎名町は、いろいろ居酒屋があるとわかっていながら、まだ一度も行ったことのない地だった。そこで今日は大学で仕事を終えた後、ふと思い立って居酒屋探索に出かけることにする。Kという店が第…

野方「秋元屋」

早稲田の「加賀屋」のあとは、浜田さんの案内で落合・野方方面へ。まずは落合の隠れ家のようなバー「日登美」でカクテルをいただいたあと、野方へ。駅の近くの「秋元屋」は、開店してまだ三年だというが、浜田さんに言わせれば「すでに西武新宿線沿線の名店…