橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

所沢「百味」

classingkenji2013-04-29

今日は研究室の引越しで、まず武蔵大学へ。荷物の搬出を終えて、所沢キャンパスへ。
書籍がたくさんある引越しの場合、本の配列がでたらめになるのを覚悟で梱包と開梱を業者に任せるか、それとも疲労困憊するのを覚悟で自分でやるか、思案のしどころだ。今回の引越しでは、自宅の方は前者、研究室の方は後者とした。自宅の方は本が多すぎで、とても一人では処理しきれないが、研究室の方は何とかなるだろうという判断である。それでも本はかなりあるので、作業を終えたのはもう六時半過ぎ。そこから所沢へ飲みに行くことにする。
繁華街をひととおり回ってみたが、チェーン店が多く、めぼしい店がなかなか見つからない。二周目に入って、地下にあるのを見つけたのが、この店である。
まさに、大衆酒場だ。六人掛けテーブルがずらりと並び、フロアを取り巻く長い座敷にも同じような大きさのテーブルが並ぶ。六人掛けテーブルには一人客が多く、一卓に三人ほどが座るという、適度な空間だ。ともかく、酒が安い。ビール大瓶が四二〇円、大生は五七五円、サワー類は二一〇円。料理も安く、メニューは豊富。魚の刺身ともつ焼き、もつ煮込みが揃うという、理想的な大衆酒場だ。
これから末永くつきあえそうな店を見つけた。(2013.4.4)

所沢市日吉町4-3
11:00〜22:30 無休