橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

石神井公園「天盃」

classingkenji2016-07-29

知人のfacebookで知り、大学からの帰りに途中下車。まだ日が高いというのに、地元の中高年でほぼ満員だ。
魚料理が中心だが、焼き鳥・もつ焼きもあるという、実に私好みの店。魚料理の充実ぶりは特筆もので、この日のホワイトボードメニューは、本マグロ中トロ一〇〇〇円、金目刺身六〇〇円、カサゴ姿造り六〇〇円、初ガツオ五〇〇円、アジなめろう四〇〇円、稚鮎天ぷら四〇〇円、サザエ刺八〇〇円など。鰹と稚鮎をいただいたが、上々の味。酒は種類が少なく、日本酒が貧弱なのは残念だが、こういう店ではしかたがあるまい。
隣の常連さんに聞いたところ、三〇歳で創業した先代の主人が、一ヶ月前に六九歳で亡くなったばかりだとのこと。いまは二人の息子さんが調理を担当している。名店といっていい。また、寄ってみることにしよう。(2016.6.3)

練馬区石神井町2-15-8