橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「もり山」

classingkenji2016-09-02

池袋といっても、いちばん北のはずれの住宅地にある、席数わずか五つの小さな割烹。基本は予約のコースのみで、ホームページで予約状況の確認と予約ができる。
この日の料理は、先付けが枝豆のだし浸し、サザエの煮物など四点、トマトの冷たいスープ、醤油とオリーブオイルで味付けしたお造り、鱧の南蛮風、稚鮎の焼き物、茶碗蒸し、〆は焼きおにぎりの出汁仕立て(一部、記憶が定かでない)。料理は毎日いくつかずつ入れ替えるらしい。日本酒は一〇種類ほどで、女将の出身の愛知のものが多い。この日いただいたのは、「勲碧・夢吟香」「たかちよ・純米大吟醸」「醸し人九平治」。日本酒はグラスに一二〇ミリリットルほど入って、七〇〇円から一二〇〇円ほど。
人柄のいい女将と話しながら、ゆっくり料理と酒をいただく店で、小さな店だから他のお客さんとも自然に会話が始まる。近所の人は、たまに行ってみては。(2016.6.27)

豊島区池袋2-27-5 17:00-21:00(入店時間)
http://www.moriyama.tokyo