2010-01-01から1年間の記事一覧
今日は、知人の英国人を妻が接待するのに付き合って、品川へ。場所はどういう訳か、チェーン店の「土風炉」。 株式会社ラムラの経営するこのチェーン店は、二〇年ほど前に登場し、当時は意欲的なメニューでちょっと話題になったように記憶しているが、長い間…
最新号が出ました。連載中の「全国居酒屋ほろ酔い考現学」は、静岡編。ブログでも取り上げた「多可能」「鹿島屋」「橋」「金の字本店」「河よし」「三河屋」「藤の家」「なごや」と、八軒を紹介しています。 他の記事では、市川團十郎の「『宇宙』を語る」、…
今日は出版社との打ち合せで、銀座へ。外堀通りに面したビルの八階にあるこの店は、大分の郷土料理の店。大分県が経営するアンテナショップも兼ねており、エレベーターを降りたところのホールには、地元産品やガイドブックなどが並んでいる。 郷土料理店とい…
西武新宿線は、ふだん乗ることのない路線だが、野方の「秋元屋」をはじめとして、いい店が点在している。そこに「秋元屋」で修業した人が新しい店を開いたと聞いた。最寄りの駅は、沼袋。それなら、私の職場からいちばん近い駅だ。そこで新江古田駅のある交…
著者は、私の命名するところ、「ヤミ市系ルポライター」である。ヤミ市起源の飲食店街や商店街、ほとんど廃墟と化したその名残などを、執拗に追いかける。たんに眺めるだけでなく、その歴史についても資料を渉猟する。本書は、その取材・研究の成果をコンパ…
さて今日はどこへ飲みに行こうかと考えながら大学を出ようとしたら、同僚に飲みに行くならどこか連れてってくれとせがまれ、久しぶりに中野へ行くことにする。まずは「魚の四文屋」に入ってビールでのどを潤し、前菜に魚を食べたあと、向ったのがこの店。前…
『酒のほそ道』で知られる作者だが、この作品は江戸が舞台。 酒の行商を営む大七が主人公で、江戸の酒風俗と食文化が、事細かに描き込まれている。山くじら鍋や紅葉鍋、雛祭りにいただく蛤のお吸い物、飛鳥山の花見、屋台の天ぷら、腹身を使ったねぎま鍋など…
しばらく来ないうちに、恵比寿にも新しい居酒屋が増えた。道をはさんで「プレハブ酒場」と「立呑屋」。いずれも最近流行りのレトロ風味の居酒屋だが、意外にもちょっと高めの寿司屋「松栄」グループの経営とのこと。「プレハブ酒場」は、静岡おでんと富士宮…
昨日に引き続いて、恵比寿へ。ガーデンプレイスで行われている「恵比寿麦酒祭」を見に行くためである。といっても、メイン会場のビヤガーデンはチケット売り場に長蛇の列だし、そもそもこちらにはあまり関心がない。目当ては、恵比寿麦酒記念館のテイスティ…
今日は、毎日新聞の取材で「恵比寿横丁」へ。最近、昔風の横丁を再現したような居酒屋や居酒屋街が増えているが、なぜでしょうか、というのが、記事の主旨らしい。そこで酒を飲み、料理をつつきながら、戦後ヤミ市から居酒屋横丁の形成、そして最近の居酒屋…
今年もゼミ合宿で勝沼へやって来た。「ぶどうの丘」に宿泊して、一日目は一時から六時、二日目は九時から一二時というハードスケジュールで卒論に向けた研究発表。午後は、希望者だけで新装したメルシャンのワインギャラリーなど三ヶ所を回って解散し、一人…
都内で用を済ませてから新宿の思い出横丁に寄ったが、いつもと風景が違う。中心部の一角が白いシートで覆われていて、中を覗くと更地だ。あの名店「つるかめ食堂」が消えてしまった。また火事でもあったのか。その割には隣の店は何事もないようだが。再開発…
「食べログ」は、私もときどき使う。何しろ掲載店数が多いので、たいがいの店は載っている。このブログでも、住所や休業日などのデータを確認するのに使うことがある。しかし、どの程度信用できるのか。これは、とある小さな老舗居酒屋で主人から聞いた話。 …
表参道のカフェで、軽く前菜とビール、ワインをいただいたあとは、三軒茶屋へ。世田谷通りと国道にはさまれた元ヤミ市の三角地帯を脱けてすぐの場所には、ちょっとおしゃれな店が何軒かある。今日はその一軒に入ってみることにした。 店内は狭く、カウンター…
ザルツブルク行きで使ったオーストリア航空からサービス券をもらったので、行ってみることに。ウィーンの有名なカフェの唯一の日本支店で、ゆったりスペースをとった店内は、なかなかエレガントな雰囲気だ。メニューは、ウィーン風のコーヒーとオーストリア…
「激安居酒屋」は、最近になって展開してきたチェーン店や新しい立ち飲み屋だけではない。以前から個人営業で頑張っている店がある。この店は、その典型のひとつだろう。 ビールは二五〇円だが、その他の飲み物はすべて一九〇円である。サワー類が一九〇円と…
最近話題の激安チェーン居酒屋だが、実はまだ行ったことがない。ちょっと観察してこようと、出版社の編集者といっしょに行ってみた。西口公園に面した場所で、銀座ライオンと同じ建物の二階。座席は意外にスペースに余裕があり、せせこましい感じはまったく…
九月二四日の毎日新聞夕刊に、登場しました。記者といっしょに恵比寿の「恵比寿横丁」へ行き、飲みながら話したことがまとめられています。結論は「横丁を壊しちゃいかんのです!」リンクを張っておきますので、ご笑覧ください。 http://mainichi.jp/select/…
この日、音楽祭は午前一一時からのマチネーだけ。どうも天気が悪い。一日中雨模様で肌寒く、朝の最低気温は一〇度。というわけで、少し買物した後はしばらくホテルでごろごろし、夕方からレストランへ出かける。続けてコンサートを聴いていたので、夜ゆっく…
モーツァルトハウスで「ドン・ジョバンニ」を見たあと、シュターツ橋を渡って新市街へ。そのまままっすぐ進んでしばらく行くと、左側にあるのがこのレストラン。ここも名前の通り、ビールがメインのレストランである。音楽祭会場から近く、ホテルも併設され…
途中、音楽祭を二日ほどお休みしてウィーンへ。どこかで地元の料理でも食べようかと入ったのが、この店。シュテファン大聖堂の近くで、地元客が大部分。ここで、ビールを飲みながらグーラッシュとターフェルシュピッツをいただく。 オーストリアのビールは、…
八月下旬、ブログの更新をお休みさせていただいた。その間何をしていたかというと、実はザルツブルク音楽祭へ行っていた。音楽祭については別のブログを参照していただくとして、こちらは当然、酒の店を紹介することにする。 最初に宿泊したのは、スティーグ…
新宿の三越裏にある「ライオン会館」は一九三九年創業。現存するライオンでは、おそらく一九三四年に建てられた銀座七丁目店に次いで古く、規模も地下一階から七階までと大きい。新宿が繁華街として急成長をとげていた時期に進出を果たしたということだろう…
次に、大通りを隔てた場所の「青葉おでん街」へ。もともと屋台の置き場だった場所が、露店整理でそのまま飲食店街になったという小さな横丁だが、何ともいえない風情がある。ここでは、「藤の家」と「なごや」を梯子する。 狭い通路の斜め向かいどうしの二つ…
静岡へ戻ることにした。目指すは、横丁の居酒屋だ。 静岡には古い居酒屋横丁が多いが、その起源は戦争直後の屋台である。繁華街を東西に二分する青葉通りとその周辺には屋台が林立し、最盛期には百軒近くになったが、後に規制で移転を余儀なくされ、六八年ご…
次に向かったのは、駅から五分ほど歩いた場所にある「河よし」。店構えと内装に関する限り、冴えない平凡な居酒屋だが、メニューが違う。手の込んだ料理が二〇数種類あり、どれを試してみても、長年料亭に勤めたという主人の腕が冴えわたる。 たとえば枝豆豆…
翌日は、まだ日が高い時間から清水へ。まず入ったのは、駅前にある「金の字」。B級グルメブームに乗って生まれた清水の新しい名物はモツカレー、つまりカレー味のモツ煮込みだが、この店はその発祥の地である。二代目主人の杉本重義さんによると、モツカレ…
日本エッセイスト・クラブが毎年、さまざまな新聞・雑誌に掲載されたエッセイから五〇編程度を選んで編むベスト・エッセイ集。今年は二次にわたる予選で一二〇編の候補作が選ばれ、最終的に五一編が掲載されている。 出版社からの掲載依頼で驚いたのだが、私…
静岡居酒屋の旅の途中ですが、本の紹介を。居酒屋ムック『古典酒場』の9冊目となります。倉嶋編集長独立後、最初の号で、デザインも少々変わりました。今回の特集は「ホルモン酒場」で、もつ焼き・もつ煮込み・モツ刺し・鉄板焼きなどの店が満載。リレーイン…
静岡が日本酒の銘醸地として広く認められるようになったのは、最近のことだ。今では吟醸酒の質の高さで定評があるが、その立役者が、静岡県工業試験場で開発された静岡酵母である。この酵母を使った酒は、華やかさを誇示するというより、ふんわりした品の良…