ウィーン「バイスル」
途中、音楽祭を二日ほどお休みしてウィーンへ。どこかで地元の料理でも食べようかと入ったのが、この店。シュテファン大聖堂の近くで、地元客が大部分。ここで、ビールを飲みながらグーラッシュとターフェルシュピッツをいただく。
オーストリアのビールは、ドイツほどボディがなく、しかもピルスナーほどホップが強くない。日本の麦芽100%ビール、たとえばエビスビールにかなり近いといっていいだろう。グーラッシュはハンガリーが本場だが、オーストリアでもよく見かける料理で、パプリカを大量に使ったシチューで、肉は牛肉を使うことが多い。ターフェルシュピッツは、牛肉を野菜といっしょに煮込んだ料理で、リンゴ、ホースラディッシュ、ベシャメルソースなどを使った数種類のソースといっしょにいただくもの。店によってスタイルが違い、肉をスープから引き上げてスライスし、平皿に盛ってくる場合もあれば、スープといっしょにシチュー皿に盛ってくる場合もある。この店は後者のスタイルで、濃厚なスープが実に美味しい。
たいていの客がこの二つの料理を注文している。隣に座った60代男性2人組が、それぞれターフェルシュピッツを注文し、ナイフとフォークで食べながらビールを飲む。日本でいえば、地元の年金生活者が二人でおでん屋に入ったようなものか。値段も安いので、おすすめである。
Dorotheergasse 2-4 1010 Vienna