橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2010-10-19から1日間の記事一覧

藤木TDC『場末の酒場、一人飲み』

著者は、私の命名するところ、「ヤミ市系ルポライター」である。ヤミ市起源の飲食店街や商店街、ほとんど廃墟と化したその名残などを、執拗に追いかける。たんに眺めるだけでなく、その歴史についても資料を渉猟する。本書は、その取材・研究の成果をコンパ…