橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

練馬

江古田「草加部二郎」

江古田には北口と南口がある。飲食店が多いのは南口の方だ。北口はどちらかといえば商店街で、商店や住宅の間に飲食店が点在している。これに対して南口は、洋食屋やラーメン屋、居酒屋などが駅の周囲に密集しているが、少し離れると急にまばらになる。その…

江古田「軍鶏八」

今日は出版の打ち合わせで、編集者に大学まで来てもらった。といっても、いつもの通りすぐ外に出る。前から目をつけていたこの店へ。千川通り沿いにあり、江古田駅からだと武蔵大学の少し手前の左側、階段を下りた地下にある。 店名に軍鶏とあるが、もちろん…

江古田のあるチェーン店

今日は大学で雑用を済ませ、近所で飲むことにする。一軒目の条件は、「焼鳥とホッピーのある店」。候補はいくつかあるが、ふと思い立って、学生たちと一度入ったことのあるチェーン店へ行く。ホッピーは、氷が入った冷えたジョッキ、小さなグラス入りの焼酎…

東武練馬「棟梁」

上質の魚料理を出す居酒屋として、一部ではけっこう有名な店だが、私は今回が初めて。六時少し前に入ったのだが、すでにカウンター席は予約でほぼ満席。端の一席だけ空いていたのに、座らせてもらった。テーブル席も、すでに客がいるか予約されているかとい…

東武練馬「春日」

東松山は、やはり遠い。ここで何軒もはしごして、酔っぱらってしまうと先が不安なので、ともかく都内に帰ることにする。急行の池袋行きに乗ると、都内の停車駅は成増だけ。成増が近づくと、なんとなく郷愁が起こってくる。思わず降りて、各駅停車に乗り換え…

江古田「和田屋」

今日は、出版社との打ち合わせ。大学の近くの、大きなテーブルのある居酒屋ということでこの店を選んだ。もともと、よく来ていた店なのだが、経堂に引っ越して帰りが反対方向になったので、ご無沙汰していた。メインのメニューは、もつ焼きと刺身で、いずれ…

江古田「あぶさん」

大学の近所に最近(といっても一年前だが)できたもつ焼きの店。店の前にはホッピーの赤提灯が。最近あちこちで目立つこの提灯、見かけると入ってみたくなるのは私だけではないだろう。たぶん。店内には、長いテーブルが三つある。テーブルの真ん中には仕切り…

江古田「お志ど里」

先日は毎日新聞の鈴木琢磨記者とここで飲んだのだが、あとでその時のことを書いた記事を見ると、「鬼の絵があった。酒杯をひっくり返し、最後の一滴まで飲もうとしている。先生そっくりで笑った」とある。そんな絵、あったっけ?と気になっていたのだが、今…

江古田「お志ど里」

新著『新しい階級社会 新しい階級闘争』について、毎日新聞の記者が取材したいという。そこで光文社の編集者を交え、江古田駅前で待ち合わせてから居酒屋へ。行き先は、江古田を代表する居酒屋「お志ど里」である。この店、もっと早くに紹介してもよかった店…

江古田「半兵ヱ」

不思議な居酒屋だ。東北地方と東京を中心に展開するチェーン居酒屋なのだが、「昭和」がテーマということで、写真の通り、店の前の看板は「狂った果実」と「青い山脈」だ。店内にも、古い映画のポスターやら鉄製の看板やら、アンティークなグッズの数々が所…

江古田「四文屋」

学期はじめで忙しい。八時半まで研究室で仕事をし、ホッピーとモツ焼きを求めて近所の「四文屋」へ。前回は二月だったから、ずいぶん久しぶりだ。風で赤ちょうちんが揺れている。今日は、学生らしいカップルやグルーブが多い。ここは、日大芸術学部の近く。…

「ぐっさん」

西武池袋線の練馬駅周辺は、区役所や文化会館などの施設が集中し、飲食店も多い。練馬区では唯一、繁華街的な景観の場所である。この店は、練馬では「金ちゃん」と並ぶやきとんの老舗で、練馬区役所職員のたまり場。「金ちゃん」ほど広くはないが、混み具合…

江古田「一休」で飲むモルツ

今日は、ゼミのコンパ。会場は、江古田駅近くの「一休」。この店は、東京と埼玉に二十三店舗あるチェーン店で、発祥の地は高円寺らしい。東京で一番安いかどうかは分からないが、確かに安い店で、いつも学生たちでにぎわっている。サラダ、つくね、鰹のたた…

東武練馬「大衆割烹 春日」

東京二三区を、都心・東部・西部と三つに区分することがある。東京都の統計の上では、都心は千代田・中央・港・渋谷・新宿・文京・豊島・台東の八区。東部と西部がこの周りを取り囲むわけだが、その境界はどこかというと、板橋と練馬の間である。この二つの…

江古田「四文屋」

以前中野店を紹介した、「四文屋」の江古田店である。メニューも値段も、ほぼ同じ。チレ(脾臓)やナンコツ刺などというマイナーなメニューなると、まったく同じかどうか、確信はないが。この店は、駅の裏の細い通りから、線路側に少し入った、いかにも入りに…

江古田「ひもの屋網十」

今日は、三年ゼミの新年会。学生の割には渋い店を選んだものだ。江古田駅の南口を出てすぐの場所にあるこの店、だいぶ前に一度だけ入ったことがあるが、干物中心の店が学生街の江古田で受け入れられるかと、疑問に思っていた。しかし、ちゃんと続いているよ…

江古田「梅きち」

今日は、学部の新年会。会場は、大学の正門を出てそのまままっすぐ進み、踏切を渡ってすぐの「梅きち」である。この店は、ランチがとても充実していて、昼に行くことが多い。日替わり定食は、刺身、焼き物または煮物、サラダの三品に、具だくさんの味噌汁と…

「セル・ポワブル」

職場の忘年会で、練馬駅の近くのフレンチ、「セル・ポワブル」へ。スープ、または、魚介類や生ハムなど盛りだくさんのサラダ、魚介類のグリル・サフランソース、子羊のグリルまたは牛ヒレステーキ、デザートというコースで、わずか三一五〇円。たいへんリー…

「金ちゃん」

夕方、練馬区の有識者会議のため練馬区役所へ。八時過ぎに終わり、懸案のもつ焼き屋「金ちゃん」へ。 店はけっこう広く、それぞれ七人ほど座れる向かい合わせのカウンターと、テーブルが七つ。店主はカウンターの内側で串を焼き、煮込みを管理する。そのほか…

「養老乃瀧」練馬南口店

今日は、科学研究費を使った調査のための調査票の発送作業だった。一七〇〇通ほどの郵便を出し終え、練馬郵便局に受取人払い封筒の見本を提出して、今日の作業は終了。重労働のあとだから、当然、ビールで喉を潤したいところなのだが、まだ四時半。練馬とい…