橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

昨日の鳩山首相 恵比寿「縄のれん」「さいき」

6時47分 東京・恵比寿西の居酒屋「もつ焼き 縄のれん」。松井孝治官房副長官、電通の佐藤尚之クリエーティブディレクターと懇談。 7時5分 恵比寿西の居酒屋「さいき」。松井孝典・千葉工業大学惑星探査研究センター所長、松井孝治氏、佐藤氏と会食。 ht…

福岡・天神「芙蓉」

九州弁護士会連合会に講演を頼まれ、福岡へ。八〇分の講演のあと一時間近い質疑と、ややハードだったがなんとかこなし、弁護士さんたちに連れられて宴席へ。 会場がここ。地元では知られた店らしい。一階は居酒屋風なのだが、今日は人数が多いので二階の座敷…

吉田類『東京立ち飲み案内』

ご存じ、吉田類さんの最新立ち飲み案内である。全七十二軒を厳選。和風中心の伝統的スタイルと、これにモダンを加味した変形が大部分を占めるが、南欧風のバル、ビストロ、ワインバーなども。老舗もあれば、最近できた店もある。系列店や類似の店も含めれば…

勝沼「ぶどうの丘 展望レストラン」

ゼミの合宿で、勝沼へ。毎年使っている、「ぶどうの丘」である。甲州盆地全体を見回せる丘の上にあり、温泉露天風呂、バーベキュー施設、巨大なワインカーブなど、楽しみは多い。夕食は展望レストランで、三五〇〇円のコース料理。いつも、ワイン代は私が持…

端田晶「もっと美味しくビールが飲みたい!」

著者は、恵比寿ガーデンプレイスにある恵比寿麦酒記念館の元館長で、現在はサッポロビールCSR部長。ビールに関する豊富なうんちくの持ち主で、以前、『小心者の小ジョッキ』という著書を紹介したことがある。もともとは三井グループのグループ内広報誌である…

用賀「エビス参」

用賀にも、「エビス参」が登場。この八月にオープンしたばかりらしい。客は、少ない。六時を過ぎているのに、私が最初の客だ。ホッピーを注文すると、三冷なのはいいのだが、ジョッキの外側にまでびっしり霜がついている。おそらく、何日も前から冷凍庫に入…

用賀「とり八」

最近、運動不足である。自宅にはエアロバイクとローイングマシンがあって、空き時間にでも運動できるようになってはいるのだが、はっきりいって室内で自転車を漕いでいても、面白いものではない。ビデオを見るという手もあるが、字幕スーパー入りならともか…

「みますや」

日本酒居酒屋談議、リード役の藤原さん不在で、最初はスローペースだったが、アルコールが回るとともにどんどん話題が出て来る。座談会は9時前に終了。しかしこの面々が、一軒で終わるはずはない。タクシーを拾って、「みますや」へ向かう。 最近は、なかな…

浅草橋「西口焼きとん」

今日は「古典酒場」の座談会。会場は、二月と同じくこの店である。場所はテーブルと椅子のある「やきとん広場」のほう。こちらのスペース、以前は土曜は閉まっていたはずだが、いつの間にか営業するようになったらしい。座談会の顔ぶれだが、「酔わせて下町…

藤木TDC/イシワタフミアキ『昭和幻景』

文を担当している藤木は、『東京裏路地“懐”食紀行』などの著書があり、ヤミ市起源の飲食店街を精力的に取材していることで知られる異色のライターである。これまでの著書は、「食」に重きをおいていて、戦争直後の雰囲気をとどめる建物そのものには、あまり…

上板橋「いぶき」

上板橋駅北口を出て、バス通りを東武練馬方向へ少し行ったところの右側。目立たない店構えなので、見落としやすいかもしれない。中に入ると、右側にL字型カウンターがあり、奥には座敷。店内は、ゆったりスペースをとってあり居心地が良い。カウンター席も…

消えた「もつ九」

「もつ九」が消えた。この店については、去年、一昨年と、すでに取り上げている。私の30歳代から40歳代前半は、この店とともにあったといって過言ではない。ところが残念なことに火事で半焼し、ついに取り壊しとなった。 ご覧の通り、完全に更地である。何と…

志村三丁目「新潟」

今日は、ちょっと必要があって板橋へ。用事を済ませたあと、まずは志村三丁目から少し都心方向へ戻ったガード下にある、この店。「猟師(ハンター)の店」と称し、季節には店主が自分で撃ってきた猪や鴨を出す。酒は、主人の郷里である越後の酒。以前、このあ…

「大衆酒場 明星」

次に向かったのは、踏切を越えた反対側にあるこの店。あちこちに紹介されているから、名前だけは知っている人が多いと思うが、場所・雰囲気とも難易度が高い。好みの人には堪えられない、昭和二〇年代の雰囲気の大衆酒場である。私は三回目ほどだが、前の来…

板橋「まつや」

6時半に編集者と駅の改札で落ち合い、この店へ。JR板橋駅東口を出てすぐだが、実は住所は北区滝野川。板橋に住んでいた頃、このあたりではよく飲んだが、住んでいたのが西側の都営三田線沿線だったので、こちら側にはあまり来たことがない。戦後の雰囲気を残…

「かしら屋」

今日は出版社の編集者と飲む予定だったが、大学での雑用が思ったより早く終わり、1時間半ばかり空き時間ができてしまったので、赤羽で時間をつぶすことにする。ちょうど、衆議院選挙も大詰め。東京十二区が大変なことになっているらしいので、見物も兼ねてと…

『おとなの週末』9月号・B級グルメ特集

「B級グルメ」がブームになったのは、もう二〇年ほど前のことだが、この不況でブーム再燃ということだろうか。出版や雑誌の特集が相次いでいる。とくにこの『おとなの週末』という雑誌など、しつこいほど繰り返し特集を組んでいるが、今回は大衆酒場の比重…

千歳「王華」

稚内から礼文島に渡り、さらに利尻島に移動して、それぞれ車で一周してきた。礼文島ではウニを堪能し、利尻島では昆布をしこたま買い込んだが、いずれも旅館で夕食だった上、興味をそそられる居酒屋らしきものもみあたらないので、夜はおとなしく過ごす。利…

稚内「咲田」

この日は、稚内で一泊。市内を歩き回ってみたが、いかにも観光客向けの店か、あまり料理に期待出来なさそうな地元常連向けの店が多い。いくつか候補はあったが、いちばん心ひかれたのが、この店。ここに入ったのは、大正解だった。 まずは、サッポロクラシッ…

日本最北端で飲むサッポロクラシック

今日は、日本最北端の宗谷岬へ。思っていたより稚内から遠い。雨交じりの天気だったが、ときおりぴたりと止んでくれる。天気が悪いからサハリンは見えない。道北地域は、思いのほかスーパードライが進出しているが、ここの売店はクラシックだったのでほっと…