橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

板橋「まつや」

classingkenji2009-09-08

6時半に編集者と駅の改札で落ち合い、この店へ。JR板橋駅東口を出てすぐだが、実は住所は北区滝野川。板橋に住んでいた頃、このあたりではよく飲んだが、住んでいたのが西側の都営三田線沿線だったので、こちら側にはあまり来たことがない。戦後の雰囲気を残した、なかなかいい界隈である。もっとも、この店はマンションの一階だが。
いい店である。大中のテーブルがいくつかあり、三〇人ほど入れるだろうか。提灯には「やきとん まつや」と大書されているが、刺身、焼物、揚げ物など多彩な魚料理もおく。私好みのラインナップだ。サッポロの中ジョッキが五八〇円、キリンの中瓶も同じく五八〇円、ホッピー四三〇円、ウーロンハイ、酎ハイ三三〇円、トマトハイ、レモンハイ四〇〇円など。酒と焼酎も、何種類かおいている。今日は仕事関係の話と選挙の話題が中心だったので、詳しく値段を書き留めていないが、全体に安い。
今度じっくり飲みに来てみよう。この界隈の、ヤミ市起源と思われる飲み屋街も、探検の価値がありそうだ。(2009.8.27)

北区滝野川7-2-4