橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「みますや」

classingkenji2009-09-17

日本酒居酒屋談議、リード役の藤原さん不在で、最初はスローペースだったが、アルコールが回るとともにどんどん話題が出て来る。座談会は9時前に終了。しかしこの面々が、一軒で終わるはずはない。タクシーを拾って、「みますや」へ向かう。
最近は、なかなか入れない予約必須の店になってしまったが、土曜の夜九時ともなれば、さすがに空席がある。写真は、この店の名物・馬刺し。冷凍物を出す店が多いが、この店は完全な生で、柔らかく稠密な肉質。氷に邪魔されることも、氷の溶けた水で薄められることもなく、馬刺しの味を存分に楽しめる。それなりの値段はするが、量が多いのでむしろ割安だろう。
戦前の木造建築。木造建築の生命が無限でないことは分かっているが、法隆寺の例などもある。少なくとも私の寿命の間は大丈夫だろう。そんな居酒屋が、できるだけ多く残って、老後を楽しませてほしいものである。(2009.9.5)

千代田区神田司町2-15
17:00〜23:00(ランチタイムあり) 日祝休