大阪「発酵のすすめ」
天満の夜、二軒目はここ。そのものずばりの変わった店名だが、酒店直営とのこと。
メニューを見て驚いた。日本酒が数十種類、値段の順に並んでいるのだが、最安値は九〇ミリリットルのグラスで三三〇円。これが十数種類あるのだが、その冒頭に「久保田百寿」と「越乃寒梅」が並んでいる。店によっては一〇〇〇円も取るこの超有名酒を最安値にするとは、酒屋にしかできない芸当だろう。もっとも正規ルートでの仕入れ値比例とすれば、こうなるのは当然なのだ。ちなみに最高値は、久保田万寿の九〇〇円で、これも安い。良心的価格の見本のようなもので、ある意味、究極の日本酒酒場といっていい。
お通しは日替わりのようだが、この日はゆでた枝豆を塩麹にさっと漬け込んだものが出た。これがなかなか美味い。気が利いた肴がいろいろある。ていねいに練って青葱と人参をあしらったなめろうは、味つけ加減が絶妙で、日本酒の味を引き立てた。大阪に行ったら、また寄ってみたい店だ。(2013.9.7)
大阪市北区天神橋4-12-11 17:00〜24:00 無休