橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

上野「海鮮昌屋」

classingkenji2012-07-25

今日は東大工学部でヤミ市研究会。原稿がかなり揃ってきた。
恒例の「現地調査」は、雨ということもあり、近場の上野へ。「大統領」に入りたがったが、超満員。店を物色していると、呼び込みのお兄ちゃんに声をかけられる。海鮮居酒屋で日本酒がいろいろあり、日本酒は半額にするという。悪くなさそうなのでついていってみると、なんと東上野のコリアンタウンだった。ビルの地下の店で、エントランスには日本酒の瓶がずらりと並べられている。店内は和風だが、よく見るとコリアン風の色使いも。
日本酒は越後酒が中心で、久保田全種類、〆張鶴四種類、八海山三種類など。久保田百寿の値段は、一合が六五〇円、四合瓶が二五五〇円。よくある本醸造や一般の純米、純米吟醸などは一合六五〇円から九〇〇円。まあリーズナブルである。十四代本丸、田酒など入手困難な酒はグラスで出し、それぞれ九五〇円、九〇〇円。生ビールは五二五円、酎ハイ類は三九〇円より。
店の看板の刺身は、七〇〇−八〇〇円で、こちらは安いとはいえない。串焼きも、一本二〇〇円と高め。料理で利益を出すポリシーの店のようだ。この界隈にしては店内のスペースがゆったりしていて、客を詰め込むこともしないので、居心地はいい。
宴のあと、店の前で記念写真。ヤミ市研究会は、まだまだ続く。(2012.7.7)

台東区東上野2-21-3
17:00〜24:00 日休