橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「炭火焼 Ken坊」

classingkenji2009-11-26

この不況だというのに、経堂の西通りには、新しい店のオープンが続いている。この店も、できたばかりの店。かつて「ぼんぞ」というラーメン屋兼ロックバーがあった場所だ。洋風のインテリアで、カウンターとテーブルがある。
店先の看板に「串に刺ささない、ちょっとかわった焼鳥です」と書かれているが、なかなかオリジナリティあふれるものを食べさせてくれる。たとえばムネ肉には香草クリームチーズをのせ、レバーはクリーミーわさびソースをかける。モモ肉はバルサミコソースで、ハツ元はフォンドボーだれ、といった具合。ズッキーニの肉巻などの変わり串もある。値段は一皿一五〇円から三〇〇円までで、二〇〇円が中心。カウンターの裏でよく見えないが、金網にのせ、トングで返しながら焼いているようだ。
酒もけっこう種類が多い。焼酎は二〇種類ほどあり、カクテルも一〇種類、他に日本酒、ウイスキーなど。うれしいことにホッピーもある。ワインは赤白三種類だけ。焼鳥のスタイルから見ると赤ワインに合いそうだから、ワインの充実を望みたいところ。近くの人は、寄ってみましょう。(2009.11.4)

世田谷区経堂2-14-5