池袋「日本酒原価酒蔵 池袋店」
前から気になっていたこの店、ふと思い立って訪れてみた。
たしかに日本酒の種類は多く、安い。注文すると100ミリリットルの小瓶に詰め替えたものを持ってくるのだが、その値段が、「醸し人九平次・純米大吟醸」三三三円、「澤屋まつもと・純米吟醸」二九八円、「陸奥八仙・純米大吟醸」三一六円、南部美人・純米吟醸」三〇四円、といった具合。移し替えて密閉しているから、品質はまったく問題ない。常時ほぼ満席なのも、納得がいく。問題は、料理。刺身の盛り合わせ(九九九円)を注文したが、薄っぺらく、少々干からびたものが三種類二枚ずつと、イクラおろしがほんの少し。美味しくない。酒はたしかに原価かも知れないが、料理で利益を稼ぐというビジネス。両者のバランスが、あまりにも悪い。
酒も料理も適正価格で、という店のほうが、いいに決まっている。しかし店名に「原価」と謳うことで客は集まるのだろう。食事はほかの店で軽く済ませ、失敗のない酒のあてだけ注文して、酒を次々におかわりする、という使い方なら、いい店かもしれない。(2019.7.5)
豊島区南池袋1-19-4 B1F 月〜金15:00~23:30 土・日・祝14:00〜23:30 無休