橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「立ち呑み割烹 そら」

classingkenji2014-08-20

池袋に最近できた、立ち飲みの店。立ち飲みといっても、ちゃんとした日本料理を出す「立ち呑み割烹」である。
まずお通しは、小さな茶碗蒸しと、本マグロのカルパッチョで、見た目も品がよく、美味しい。ビールは、プレミアムモルツで、ピルスナーグラス四五〇円。日本酒は「蒼田」という、ちょっと珍しい福岡の酒を置いている。いい酒だ。純米大吟醸一三〇〇円、純米吟醸七〇〇円、特別純米六〇〇円、本醸造五〇〇円というラインナップで、四種利き酒セットが九〇〇円。利き酒セットを飲んでみたが、四つは共通の味ながらかなり性格が違っていて面白い。私は、特別純米がいちばん気に入った。
活あわびバター焼き一六〇〇円などというメニューもあるが、たいがいの料理は七〇〇円まで。驚くほど安いわけではないが、十分リーズナブルである。立ち飲みといっても、半分以上の客は座れるだけの椅子があり、実際、たいがいの客は座って飲んでいる。座れるのをわかってきているらしい客が多く、開店早々、常連客をつかんでいるようだ。立ち飲みというより、リーズナブルな割烹居酒屋として使えそう。東口からビックカメラ本店を通り過ぎてしばらく行ったところ、左側にほんの少し入ったビルの地下にある。(2014.7.25)

豊島区東池袋1-39-6 池袋第3KUビル B1F
17:00〜23:00 日休