進化する「テング酒場」
今では数あるチェーン居酒屋のひとつ、それもやや業績の悪い方になってしまったが、「天狗」は今日のチェーン居酒屋のビジネス・モデルを確立した先駆者である。創業者の飯田保は酒卸問屋「岡永」の次男で、今日のチェーン居酒屋の原型を確立するとともに、早い時期から地酒を置き、良質かつ安価なウイスキーやワインを提供した。酒の質では、今でも他の追随を許さない。今でも、私のいちばん好きな居酒屋チェーンである。
景気回復期には「くわい屋」という高級バージョンの店舗を展開したが、デフレで撤退し、今は「テング酒場」という大衆酒場路線の店舗を展開中である。しかし「テング酒場」も侮れない。この料理を見よ。右側はイベリコ豚の串焼き、左側はフォアグラの豚バラ巻きである。イベリコ豚はさらりとした脂の旨みが口に広がる。フォアグラは、豚バラとの組み合わせがまったく違和感ないのに驚く。これで、一本一八〇円と二八〇円。ワインも安くて良いものがあるから、ゆっくり楽しめる。(2013.7.9)
テング酒場 池袋西口店 豊島区西池袋1-35-7三杉ビル1・2F